チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2008年12月26日
盲人に光を与えるアイキャンプ。その他
アイキャンプの話の前にいくつかのニュースを先に書きます。
写真はすべて今回のアイキャンプです。
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新華社の「デマを流し、民族間憎悪と暴力を扇動したかどで59人のチベット人を逮捕した」という報道に関しphayul.comに補足情報がありました。
http://phayul.com/news/article.aspx?id=23501&article=China+detains+59+over+’Tibet+rumours’
罪状の中には「<反動的>歌をインターネットがらダウンロードし、チベット人に広めた」というのが含まれているそうです。
「3月の暴動の後、ある者たちは、ダライ分裂一味を鼓舞するという隠れた陰謀のもとに国際的にデマの噂を流し、チベット人の民族意識を挑発することにより、国家と人民の安全を脅かした」
「警察はラサのマーケットで<反動歌>をインターネットからダウンロードし、それをコンパクトデスクやMP3ホーマットにして売っている者たちを捜査していた」
「彼らはラサの政治的安定を脅かすために、暴力の爆発を望んでいたのだ」
と新華社はおっしゃっています。
ラサの警察副長官キン・ユアンミンは「3月より48の<デマ流布>ケースを取り締まった。逮捕者は59人だ」とChinatibetnews.com上にコメントしている。
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結局この逮捕者は最近の新しいケースではなく3月以降の総計の話でしょうか?
今一つ、はっきりしません。
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<チベット亡命社会も<08憲章>への支援と劉暁波氏解放を訴える署名活動を始めた>
本日12月26日から始まったというこの署名活動、チベット亡命社会政府外4団体により発案され始められたようです。
4団体とは9-10-3の会(グチュスンの会)、チベット女性協会、SFT、チベット民主の会です。
青年会議は入っていないとか?(ここのところは確認中です)
グチュスンの会会長ガワン・ゥーパル氏は「中国内における民主改革のための画期的な運動であり、基本的人権の尊重を唱えるこの<08憲章>を承認、支持するとともに、劉暁波氏の即時解放を訴えるキャンペーンを我々は開始した。
中国人市民の言論の自由を擁護し、中国の政治的改革のために働き、劉暁波氏はじめ今回の憲章に関わり逮捕されている人々の解放を要求することを国際的に広げることが大事なことだ」と語っています。
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中国人以外(亡命チベット人は外人?)も署名できるなら私もできるのでしょうかね
?
別枠ということなら日本でも始められたら如何でしょうか?
ペンクラブだけではなく。
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もうひとつ<08憲章>関連です。
時事ドットコム:
<メディアの取材禁止か=「08憲章」で中国党宣伝部 >
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2008122500630
【香港25日時事】米政府系の自由アジア放送(RFA)は25日、中国共産党宣伝部がこのほど、国内メディアに対し、民主派の学者らが同党に人権擁護を要求した声明「08憲章」に関する取材禁止などを指示したと報じた。
RFAが中国の国営メディア幹部の話として伝えたところでは、宣伝部は「08憲章」署名者への取材のほか、署名者の原稿掲載を禁止。自ら署名した一部の記者は既に上司から「やり過ぎるな」と警告されたという。
ただ、あるメディア関係者は「08憲章は支持者があまりに多く、完全に統制するのは不可能だ」と話している。(2008/12/25-17:34)
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この元記事は
http://www.rfa.org/english/news/china/charter-12242008115743.htmlですが、ラジオで伝えてる内容は相当長く詳しいです。
英語になってるのもが上記の記事です。お時間のある方はお読みください。
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さてと、やっと最後に辿り着いて報告できます。
本当は一番見出しで最初に載せるべきことなのですが、、、、
<毎年恒例のアイキャンプが今年も始まった>
一昨日の夜、日本より総勢8名の眼科医グループがこのダラムサラに到着。
さっそく昨日から診察に入られ、今日から手術が開始されました。
明後日まで、朝から晩まで大勢の人々に光を与えるために多量に手術をこなされます。
皆さん自己負担分10万円を出してのボランティアです。
世の中メリクリだとかお正月と言って、酒浸りにのんびりするのが当たり前と思われてるこの時期に、世界のド田舎ダラムサラまで来られて、三日間に何と70人以上の人に一級の手術を施し帰られる
こんな人たちもいるのですよ、、、、
これがほんとのクリスマス・プレゼントというわけです。
考えさせられますね、、、
実は、この先生方達はもう8年前より毎年年末ここに来られ、平均400人の患者を診察し、そのうちの70人以上に白内障を中心にした手術をされてきたのです。
正式な団体名は<NPO法人 アジア眼科医療協力会(AOCAアオカ)>でして
Website:http//www.aoca.jpです。
そのすばらしい活動を良く知るためにぜひアクセスしてみてください。
この団体はネパールを中心に活動されてきました。
そのパンフレットの中のあるコピーに
「ネパールには ヒマラヤの国に生まれながら ヒマラヤを見られない 20万人の盲人がいます。そのほとんどが手術で 光を取り戻せるのです」というのがありました。
最初のころは患者のうちチベット人が半数ほどでしたが、年々ローカルのインド人の数が増え去年はインド人80%、チベット人20%の割合だったそうです。
隊員の皆様の構成はドクター4人(以下敬称略)
隊長の名執刀医籠谷保明、柏瀬光寿、岡田明、浅野宏規
ナース二人、
川邨夫美子、藤原直美
写真記録班、
安嶋郁子、安嶋理人
それに現地調達の通訳はもちろん
小川康
このうちの柏瀬先生は、もうかれこれ7,8年前だったか?
一年間ここのデレック病院の眼科医医師としてダラムサラの住人をやっておられたことがあるのです。
我々の親しい仲間の一人だったのです。そしてそれから毎年来られています。
ところで今日先ほどその柏瀬先生が手術されるところを間近に、ブログ用写真撮影のため拝見してきたところです。
いや~~~初めて見る目の手術、なんとも言い難いシュールな感覚に陥りました。(ダリの映画の連想か?)
それにしても集中力のいる手術を長時間こなされる先生方には感服です。
興味深い話を聞きました。
患者の中に政治犯としてかつてチベットの刑務所に入っていたという25歳の僧侶がいたという。
この人は若いのに白内障を罹っていた。
おかしいなと思い話を聞くと、拘置所、刑務所内で何度も拷問に遭い、電気棒によるショックも何度も味わったという。
そこで先生は、日本では雷に打たれた人が発症するケースが報告されるという<電撃白内障>という診断を下された。
その人の手術は(もちろん)無事成功し、今ではすっかり視力を回復したとか。
<電撃白内障>、高圧電気ショックで目玉が目玉焼き状態になるのでしょうか!?
残酷な国です。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)