チベットNOW@ルンタ

ダラムサラ通信 by 中原一博

2008年12月14日

08憲章の反響/黄金シールド計画.

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<中国、一党独裁変更署名1269人に ネットが仲介、庶民や少数民族へ拡大> – MSN産経ニュース

2008.12.13 19:01

 【北京】共産党の一党独裁体制の変更を求めて学者や弁護士ら303人が公表した「08憲章」は、第3次署名名簿が13日公表された。署名者はこれまでに合計1269人となった。憲章の起草者とみられ、拘束された著名な反体制作家、劉暁波氏(53)の釈放を求める署名もこれとは別に二千数百人集まっている。一連の署名はインターネットを介していることもあり、一般庶民や少数民族にも広がりをみせている。

 一連の署名で注視すべきなのは、知識層や著名な民主・人権活動家だけでなく、全国各地の炭鉱労働者、企業経営者、農民、軍人、退役兵士、大学生、失業者など庶民レベルが含まれていることだ。ネット規制で中国国内では憲章を閲覧できないが、転載や特殊ソフトの導入で閲覧や署名が可能で、規制しきれないのが現状となっている。

 中国経済の悪化で暴動や労働争議が相次ぐなど社会情勢が不透明感を増すなか、今回の署名拡大で当局が留意しているのは、「民主化勢力」と「社会不満勢力」とが結びつく事態になることだ。

 当局は、今年5月の四川大地震の「学校倒壊問題」で父母の抗議を封じ込め、粉ミルク汚染事件では「集団訴訟」への発展を警戒、広東省では「倒産問題」で労働者の抗議行動を抑えつつ、倒産関連の報道統制を図ってきた。

 11月以降、官僚・司法の腐敗や強制立ち退きの解決を求め北京に来た地方の直訴者への摘発も再び強化されている。一般の社会問題が「敏感な社会問題」(当局者)に変わってきているのが現在の中国の特徴だ。

 来年は民主化運動を弾圧した「6・4(第2次天安門)事件20周年」、「(チベット仏教の最高指導者)ダライ・ラマ14世亡命50周年」、「建国60周年」と、「政治的に敏感な年」(当局者)にあたる。

 各地の当局者は憲章の署名者に対し、「起草者は誰か」「背景と意図は何か」と尋問しているほか、ネット規制を強めている。しかし、署名者を一網打尽に拘束することは、問題の拡大につながるとみて控えているもようだ。ただ、ウイグル族やチベット族に拡大した場合、少数民族の独立志向を刺激して問題が複雑化する可能性もある。

ーーー

なお最初に署名した303名の名前と職業が以下の中国語原文の末に列挙されています。
http://www.minzhuzhongguo.org/Article/wq/200812/20081208232226.shtml

-----------------------------------
<黄金シールド計画>
http://phayul.com/news/article.aspx?id=23380&article=China+about+to+complete+massive+monitoring+system%3a+Report&t=1&c=1

12月9日付、台湾の中国語新聞「Liberty Times自由日報?」によれば、中国は全土に渡る移動、通話、ネット上の情報を監視するための<黄金シールドGolden Shield金盾?>と名づけられた計画をほぼ完成したという。

これによりネット上の自由、人権、個人的自由がさらに締め付けられ、広範なプライバシーの侵害が起こるであろうとコメントしている。

台湾の本土関連委員会のレポートはこの計画を「中国の悪名高き公安システムのハイテク・オンライン・バージョン」と評価している。

Taiwan News Online, MACの分析レポートによると計画は「データベースと侵入ネットワークを組み合わせた共産、全体主義者の21世紀電子バージョン監視システムだ」という。

Liberty Timesによれば、このシステムの開発は1998年に始まり、2003年9月に最初のバージョンが完成したが、実際には2006年11月から投入された。
しかし、技術的問題が多々あった。
それらを改善した強化バージョンが今月から実際の活動を開始した。

オンライン監視だけでなく、中国は全国に新たに20万台の監視カメラを設置する。

これらの監視システムを管理するための政府機関に新たに30万人が雇用される。

技術者たちは競って中国に好意的でないサイトをウイルスやハッカー攻撃により撃退することを求められている。

ーーー

全土監獄化を目指しているのでしょう。

しかし<08憲章>の広がりを阻止できないのですし、大したこともないかも知れませんが?

日本は近いのでお気を付けください。

筆者プロフィール

中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro

1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)

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