チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2008年12月5日
「人権問題に対し断固たる態度を示すべきだ」と法王
「人権問題に対し断固たる態度を示すべきだ」と法王はEUに訴えた。
http://phayul.com/news/article.aspx?id=23336&article=Stand+Firm+on+Human+Rights%3aDalai+Lama+to+EU
法王は12月3日、BBCのインタビューに答え「我々の友人達(EU諸国首脳陣)は断固とした態度を示すべきだ。そのことが長期的には中国の人々を大いに助けることになる」
「中国の人々も又、表現の自由、報道の自由、法による統治を望んでいるのだ」
「今、(中国に対し)ご機嫌取りな態度をとることは、長期的には誰の利にもならない」と語られた。
ロイターのインタビューに対しては、
「<口の中の傷は自然に治るものだ>というチベットの諺を引き合いに出し、世界でもっとも人口の多い中国との関係は重要ではあるが、毅然とした対応は其々の国の利となる。
「<真の友情であればある程率直なものだ>というチベットの諺がある。これが大事だ」
「チャンバーレイン氏の時、第二次大戦の直前、彼はあまりに譲歩し過ぎ、失敗した」と1930年代イギリスの首相ネビル・チャンバーレイン氏がナチ党首アドルフ・ヒットラーに対し強い態度を示さなかったことを引き合いに出し、語られた。
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このところ法王は、中国の金がほしいからとて、どうかチベットを見捨てないでほしい、もっと毅然とした態度で強く出てほしい、と訴え続けていらっしゃいます。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)