チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2008年11月22日
続ダラムサラ会議
昨日再び数十人のチベット人亡命者がダラムサラの一時収容所に到着しました。
彼らは今日早速、ダライラマ法王との謁見です。
写真はついさっきパレスに並んで入って行く新しい亡命者たちです。
訳60名いました。
ーーー
会議の結果が概ね明らかになりました。
http://phayul.com/news/article.aspx?id=23262&article=MWA+Retains+Prominence+at+the+Special+Meeting
一言で言えば、「新(re-strategized)中道路線」とでも呼べる内容です。
対話については「中国政府がダライラマ法王への根拠のない非難のプロパガンダを続け、チベット内地における人権侵害を続ける限り、行うべきではない」という意見が多く出されたという。
その他の論点として、目立ったところでは、
「法王が亡くなられる前の転生の可能性について」!
「各国にチベット亡命政府承認を要請する」
「ダライラマ法王が内外チベット人すべての、正当な指導者であることの再確認」
「一般中国人との交流を盛んにし、中道路線に対する更なる理解を得るための努力を継続する」等。
中には、「抗議活動は中国政府に向けたものであり、決して一般中国人の感情を害するような行為、例えば<中国国旗を燃やす>などをなしてはならない」というのもあります。
日本事務所代表のラクパ・ツォコ氏も「法王のこれまでのご方針を再度信任し、再充電して頂くための励ましの会議」となった、と話されていました。
中道優勢と判明し始めた昨日午前中、外に出たら地元チベットメディアの仲間達も退屈そうに日向ぼっこのために外にたむろしていました。
元気のいい若者ばかりです。
「やっぱり、中道が多いようだけど、どうなの?」と聞くと。
「当り前さ。年寄りばかりじゃん。年寄りはもう半分寝てる。もう何も変えたくない。もう死んじゃうし。後に残るのは俺達なのだぜ。もっと若者を入れるべきだった。」
とその場の大方の{大胆な}意見を代表してL氏が大きな声で演説してました。
取材してるばかりで討論には参加できない若いチベット人プレスのひがみですかね。
全体に最近アメリカで教育を受けたチベット人が目立ってた気がします。
チベット式とアメリカ式の激しいバトルがいたるところで行われていました。
チベット人は日本人と違って生来討論好きです。
後1時間後には最終結論発表が行われます。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)