チベットNOW@ルンタ

ダラムサラ通信 by 中原一博

2008年11月21日

会議終了間近

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f31b102b.JPG会議は明日最終日です。
今日は、15の部会に分かれて今日まで議論されて来たことの総括が、それぞれの部会長によって、順番に発表されています。

場所はTCVの大ホール、寒いですよ。
暖房設備のことなどもちろん、はじめからまったく考えられていない建物ですから、この時期は寒いのです。
標高2000メートル位の森の中ですし。
一人一人の話が長い、午前中に3人しか終わりませんでした。
3時までだそうですが、この調子では15人が終わるのは明日の朝でしょう。
ということで、外に出ました。
外は心地よい日差しで温かいのでした。
チベット語だけなので退屈し切った様子の、k通信社の方とTCVを一回りしました。
21,11,08TCV

写真の内一枚目は、会議の様子。
二枚目は、仲良く肩組みながらホームに向かう女の子たち。
三枚目は、校庭で会った男の子。
四枚目は、教室に残って左手の女の子が解かんない右の女の子に教えているところ。
五枚目は、久しぶりに訪ねた、<SHOGO HOME> 199?年だったかに、友人の浜田省吾君に<フリー・チベット・コンサート>を広島で開いてもらって、その寄付で建てたホーム(寮)です。
彼はそれからもう一度、ルンタを建てるためにもフリー・チベット・コンサートを行ってくれました。

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21,11,08TCV2
会議に先立ち、内閣が独自に行ったという<チベット内地の意見調査の結果>について、実はいろんな違った数字が各紙に出ていました。

私は議長の記者会見での発表を基に、このブログで以下のようにお伝えしました。

総数17000人 内訳:
1、法王のおっしゃる通り 8000人
2、完全独立  5000人
3、中道    2000人
4、その他   2000人

ところが1、は一緒でも2、を6000とするものあり、3、を3000と発表する者ありの状態でした。
21,11,08TCV3
以下今回の参加者に配られた資料より、正確と思われる数字を再記載します。

1、法王のおっしゃる通り  8246人
2、完全独立    5209人  
3、中道      2950人

4、その他     ?

議長は中道を3000人というべきでしたね。

回答者を内訳した数字もあります。

21,11,08TCV4

一般市民(都市市民、農民、遊牧民)10761人
僧侶4299人
尼僧514人
中国政府公務員 465人
無職  414人
学生  386人
その他

ーーー

それにしても短期間にどうやってこれだけの回答を集めたのでしょうかね?
もちろんあくまで極秘ですから、、、

もっとも、この情報の信憑性を疑うチベット人は少ないようです。

この数字を解釈して、日本の某新聞は「法王の求心力が衰えた証拠だ」とコメントしたと噂に聞きましたが、本当ですか?誰か教えてください。
これは結局、故意にかどうか知りませんが、一番目の「法王のおっしゃるまま」を無視し、二番目の完全独立と次の中道の数字のみを比べてそう言っているのでしょう。

法王への求心力(依頼心)はご自身が望まないのに反比例して、特に内地では益々大きくなっていると感じます。
某新聞社の方は、普通にこの数字を見た人なら、これから法王への求心力の衰えを見るよりも、何も知らない人ならば、チベット人の盲目(従順)さの現れと見る方が普通と思いまが、、??。

法王の教えや政策について良く研究し、その上で「法王のおっしゃるまま」というなら、盲目どころか賢明な選択ということになるかも知れません。

しかし、今回は確か法王自身が「私を見ずに、自分たちで考えて決めよ」とおっしゃったはずなのだが、、、そういう意味では、法王の言うことを聞かない人が多くなった(求心力が衰えた)といえるのか!???
求心力の裏返しと見るのが正しいのかな?

ーーーーーーー

最初は<中道>だ<独立>だとかの文節的、世俗諦的票決などしないと言ってたはずなのに、部会ではちゃんとそのような票決を行っていました。

独自の出口調査によれば、全部会の内、一部会だけがイーブン・イーブン、それ以外は中道優勢という、今日の情勢でした。

筆者プロフィール

中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro

1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)

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