チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2008年11月11日
国連ジュネーブ人権委員会にて。
現在スイスのジュネーブの国連人権委員会で「チベット」について議論されています。
http://phayul.com/news/article.aspx?id=23189&article=China+refuses+to+answer+questions+on+its+human+rights+record
中国は、反対派(チベット人)に対する拷問と拉致の容疑及び
監獄に現在いる政治犯の人数等に関する情報提供を一切拒否したそうです。
チベット側は長年に渡り、中国は1984年制定の国連拷問禁止協定に違反し続けていると主張している。
例えばそれは秘密裁判とか反対派を擁護する弁護士を罰することなどに表れているとする。
これに対し中国側の国連ジュネーブ代表リー・バオドンは「中国政府は拷問を行うものを容赦なく罰している。この面での進歩は目覚ましいものがある」
「法曹界の中でも拷問の禁止に対する認識は広がりつつある」
と語った。
そこには31人の中国側代表団が居たそうだが、行方不明者に対する情報とか、刑務所の惨状についての質問いは、誰一人答えなかったという。
行方不明者リストの中で唯一情報を得たのは、ゲンドゥン・チュキ・ニマ少年、つまりパンチェン・ラマ11世についてだったという!
1995年彼は6歳だった。生きていれば今19歳のはずだ。
シェン・ヤンという中国少数民族委員会の役人が答えるには
「チュキ・ニマとその家族は普通の暮らしをしている。彼らは干渉されたくないと言っている」ということだそうです。
(委員会も甞められたもんだ!)
今月の終りには委員会は中国に対し「調査リストと勧告」を渡すそうです。
この中国側のふざけた態度に噛みついた、委員の一人の記事は以下英文へに
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)