チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2008年11月3日
マルカムで爆弾容疑で3人の僧侶が逮捕される
マルカムはチャムドの南東数百キロのところにありますが、ここもカンゼ、リタン等とともにカム色の強い土地柄です。
<マルカムで爆発物を仕掛けた容疑で3人の僧侶が逮捕>
RFA(ラジオ自由アジア)によれば、3人は9月に地域の発電所で起こった爆発に関与したとして、最近逮捕された。
テンジン・リンチェン17歳は10月24日に逮捕され、
ガワン・テンジン20歳とテンジン・ノルブ19歳は10月30日に逮捕された。
その爆発によりテレビ放送が切断されたと言うが、人的被害の報告はない。
爆発はカム、チャムド地区マルカムで起こったという。
情報筋によれば、この地区では8、9月中に地方テレビのカム方言放送において、ダライラマ法王を「分裂主義者」として非難する放送が流れたが、これに対しチベット人たちは怒りを露わにし始めていたという。
先週金曜日にRFAの電話に対しチャムドの公安局幹部は「ガワン・テンジンとテンジン・ノルブは逮捕され、尋問された」と答えた。
(こんなことができるのですね!)
10月30日には別の幹部がRFAの電話インタビューに応え「容疑者たちは一か月と20日ほど、どこかに隠れていたようだ。我々はその内の一人を捕まえた。我々から逃れる術はないのだ。もし残りの二人が自首してくれば、中国は寛大さを示すであろう」と語った。
「マルカムでは今、チャムドから警察署長が来ており、会議が開かれている。
武装警官隊がいたるところにいる。規制が強化され、緊張が高まっている」とも伝えられた。
10月26日、ガワン・テンジンの父親であるデチェン・ドルジェ49歳が尋問のため拘留された。まだ、解放されていないという。
テンジン・ノルブの兄ロプサン・テンジン26歳も10月19日警察に連れて行かれた。
10月27日に解放されたが、手足を動かすことができない状態だったという。
彼は尋問中{拷問中}一言も、答えることを拒否し続けたという。
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放送の後のコメントは「全くのでっち上げだ、僧侶が爆弾を仕掛けるわけがない」でした。
このところ爆弾にからめてチベット人を逮捕する例が続いていますね。
警察内の昇進が早くなるのかな?
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)