チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2008年11月1日
様々な事
「このところ度々日本を訪問されるが、日本は欧米と違って政府高官が会うことはない。今回も政府要人との会見はまったく予定されていない」
とコメントされていました。
http://phayul.com/news/article.aspx?id=23111&article=Dalai+Lama+begins+week-long+Japan+visit
民主党の何人かの議員さんは会うはずと思いますが?
3日に東京で記者会見が開かれるとのこと、これは大事ですね。
誰か記者の人、内容を詳しくレポートして下さればいいのですが?
今日、明日とかは何をされているのでしょう?
きっと我先にと会いたがる(要)人の列なのでしょうかね、、、
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中国政府は今回の「第8回会談」に先立ち特使たちを、チベット以外の少数民族地区に案内するらしい。
http://phayul.com/news/article.aspx?id=23114&article=China+plans+ethnic+tour+for+Dalai+Lama+envoys
「ほら、彼らはこんなに中国の下で豊かに、幸せに暮らしている。お前らもそろそろ大人しくして彼らのようになればよ」とでもいうつもりなのでしょうか?
おそらく内モンゴルに案内するらしいが、内モンゴルのモンゴル族対漢族比は1:5です。
これを見せて「近々お前らもこうなる、怖くはないか?お前らも早く中国に付いたほうが得だぞ」というつもりか?
どちらにせよ、ただの冗談にしかならないでしょう。
内向けのプロパガンダニュースのネタにするためだと私は思います。
「中国政府はダライラマ法王特使を中国に招待した。
彼らもこのように他の少数民族の豊かで幸せな暮らし振りを見て安心し、誤解を解き、中国政府の要求を全面的に受け入れて、和解した」
というやつとか?
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法王のTCV発言は益々チベット社会で議論の活性化効果を発揮しています。
聞いてると、いつもの中道か?独立か?の二元論的論議が大半のようです。
私ははじめから「中道」というのもまるで仮の言葉のみと思っています。
「中」というには「端」が二ついるわけですが、想定されるべきこの場合の、この二辺とは何なのでしょう?
仏教では「有(ある・永遠論)」と「無(ない・虚無論)」の二辺を離れた中道が「空」ということになっていますが、ここでは
完全独立の道とあきらめ眠る道のことなのか?
法王は中国が「独立以外なら何でも話し合おう」に答えるために、「譲歩の道」を「中道」と呼ばれたのであろう。
だが、はじめからこの中国政府の言葉自体がウソであり、あちらにとってはこちらの譲歩は譲歩でないのですから、中もはじめから無いのだ思っています。
「独立」というと、「チベットはかつては千年以上の歴史を持つ、れっきとした独立国であった。しかし1959年中国の武力侵略によって植民地となった。その圧政下においてすでに120万人以上のチベット人が殺された。もう我慢できない、今から他の国のように独立を目指す」のだ、ということで話ははっきり見やすくなる。
もっとも名前をどう付けようとも、「平和路線」はダライラマ法王のいらっしゃる間は確実に守られるであろう。
だから、実際問題そんなに突然行動計画が変わるわけではない。できることは限られているのだから。
ただ、これを契機に私もそうだが、チベット人たちがもっと本気にこのことを考え働くようになったらいいなと思うのです。
法王もTCVで「チベット問題も本気にかかわって来る人はほんとに少ないではないか」と嘆いておられた。
アメリカとかで立派な教育を受けたチベット人も多いはずだが、それぞれ個人的利害のみに動いている人が多い、ということも確かだ。
少なくとも亡命政府に対し「時には残業して見たら!」と言いたくなることもある。
仕事は作ればいくらでもあるとしてジャミヤンは「スペインのように各国で中国のチベットに対するジェノサイド裁判を開かせる。その他、たとえばかつての貴重な文化財を破壊、略奪したことに対する裁判をおこす。このようなに各国で裁判を始めるのもいいだろう」と言ってた。
ゲルクのゲシェの数と質ほどに、チベット人弁護士がいれば怖いものなしでしょうけど!
日本ではまず議員等に対するロビー活動がもう少しあってもいいんじゃないでしょうかね?
もっとも、へんなのを経由するへんな議員には近づかないように。
え、そんなこというのは古いって?
イギリス政府はチベット問題に関するコメントを発表しその中で「世界の人権擁護を標榜する国はどの国においても、チベットの問題とその解決に関心を持たずにはいられない」といってる。
日本は今までのところ、その中には入っていないようです。
http://phayul.com/news/article.aspx?id=23117&article=UK+says+Dalai+Lama+has+met+conditions+set+by+China+for+talks
「独立」というと真っ先に、益々逃げ腰になりそうな国と人々ですね。
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<両親が3月14日以後、行方不明になり、一人でラサで暮らしていたが、最近親戚の者たちの助けで亡命することができた、12歳の女の子の話し>
この子はまだネパールの一時収容所にいるようです。
ダラムサラに来たら詳しく話を聞けるとおもいます。
RFAがインタビューしたのを途中より聞きました。
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3月14日、学校の教室の窓越しに戦車が通り過ぎるのを見た。
家に帰ると両親とも居なくなっていた。
近所の人の話だと、中国の警官がどこかに連れていったという。
学校にもその日から行ってない。
一人で今まで暮らしながら、父や母のがとこに行ったのかと探し続けたが見つからない。
親戚の者がお金を出してくれてこうして亡命することに成功した。
今から、一生懸命勉強して、アメリカに行ってそれで両親を呼ぼうと思ってる。
毎日、父と母が無事に早く解放されることを祈ってる。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)