チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2008年10月24日
チベット人への監視、弾圧は続く
http://phayul.com/news/article.aspx?id=23068&article=China+keeps+its+tight+grip+on+Tibetans+in+provinces以下、上記phayulの記事の部分です。
チベット人への弾圧の状況はオリンピック後良くなるどころか、悪くなっているようだ。
チベット人は町の中であろうと、移動中のバスの中であろうと、度々身体検査を受ける。
例えば、西寧からラサは車で3日の行程だが、その間には18か所の検問所が有るという。チベット人は徹底的なチェックを受ける。
ラサの町は益々軍人と警官であふれかえっている。もっとも最近はツーリストが来ることもあって、私服でバッグに武器はしまって巡回するタイプが多い。
僧院は反動主義者の巣窟と看做され監視がもっともきびしい。
ある僧侶は強制的に僧院を追い出され、ある者は暴行を受け、ある者は逮捕、その他大勢の僧侶達は恐怖心により自ら僧院を出た。
その結果、いくつかの大きな僧院がほぼ廃寺状態になっている。
状況は非常に厳しく、最近少なくとも8人の僧侶が自殺した。
そのうちの最年長者は70歳を超える老僧だ。
春の動乱の際1000人ほどの僧侶が逮捕されたが、そのうち675人は7月中に解放されたと見られている。
解放された僧侶たちは口ぐちに殴られ、拷問された悲しい話を語った。
残り300名以上の僧侶の消息はほとんど判っていない。
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先ほどのRFAでのアムドの若い僧侶が自殺したというニュースを伝えていました。
彼の遺書には「私が自殺するのは自分の苦しみを断つためではない。一つには世界中のすべての人々の人権が守られ、幸せに暮らせるようにと願い、二つ目にその内でも特にチベットの同胞の人権が守られますように、幸せが訪れますようにと願い、祈る気持ちの現れであるだけだ」と書かれてあったそうです。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)