チベットNOW@ルンタ

ダラムサラ通信 by 中原一博

2008年10月18日

フォトジャーナリストの野田雅也の写真展とトーク

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7e010d10.jpg今や日本が世界に誇る、チベットの今を追い続ける写真家、野田雅也氏

彼は最近またチベットに潜入し、無事帰国されました。
彼の最新チベット報告会が開かれます。
チベットの現状に関心のある方は必ず参加されたし。

写真は彼が今年6月にアムドの嘗ての原水爆実験場で撮影したものです。

以下彼からのメール、

ーーーーー

先日、チベットから戻ってきました。

 ラサは一見、外国人観光客もわずかに増え、日常を取り戻しているかのように
見えます。しかし町を歩くと、巨大な見えざる眼が支配していることに気づきま
した。チベット人居住区にはカラシニコフ銃に指をかけた兵士が行き交い、監視
カメラや盗聴器がモニタリングしている。私服に扮した兵士や秘密警察が、個々
人の会話や行動、生活の細部まで統制している。そして他者が他者を監視する。
まさにジョージ オーウェルが描いた小説「1984」の世界が、現実のものになって
いました。
 そのなかで、細心の注意を払いながら、人びとの声に耳を傾けてきました。彼
らが語るのは、3月に何が起きたかというよりも、真昼の暗闇で生きるその苦し
さです。仕事を失い、社会から排除され、構造的な力に支配される。そして未来
に恐怖さえ抱いている。彼らは今、人間性が破壊されているのです。

 そんな人びとの生活とは裏腹に、大規模な開発は今も続いています。ラサ市内
には、米国のビバリーヒルズのような富裕層向けの“西洋風高級住宅地”が完成
していました。そして草原では、これまで見たこともない砂丘を何カ所も目にし
ました。タクラマカン砂漠のような“チベット砂漠”が出現していたのです。開
発と環境に加え、今回は元核実験場で生活しているチベット人にも出会ってきま
した。

 これらの報告を10月25日(土)に世田谷区のキッドアイラック・アートホール
にて行います(要予約)。また10月21日(火)~26日(日)まで、同ホー
ルで写真展「「生命の現場から:序章」(日本ビジュアル ジャーナリスト協会)
も開催しています。チベットの写真も20点ほど展示していますので、ぜひ見に
来てください。

10月18日 野田雅也

【転送 転載歓迎】

日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA)写真展&映像展2008
「生命の現場から:序章」
詳細参照→ http://www.jvja.net/2008PhotoJVJA.htm

・期間  2008年10月21日(火)~26日(日)
・時間  11:00~20:00 期間中無休 ※ 26日(最終日)は15:00まで
・場所  キッドアイラック・アートホール
    (京王線・京王井の頭線 「明大前」駅下車徒歩2分) 
    東京都世田谷区松原2-43-8 電話03-3322-5564
    http://www.kidailack.co.jp

入場無料 ※期間中のトークショーは入場料が必要です。

・写真・映像展出品者(JVJA会員) 
海南友子 國森康弘 権徹 野田雅也 山本宗補 
古居みずえ 桃井和馬 豊田直巳

主催:日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA)
http://www.jvja.net/

【期間中特別トーク開催】10月21日(火)~26日(日)

予約制/トーク時は入場料1000円(予約先着順・定員 40名)
予約受付:キッドアイラック・アートホール
TEL 03-3322-5564  E-mail arthall@kidailack.co.jp

※予約で定員に達した場合は受付を終了します。あらかじめご了承ください。

▼10月21日(火)18:30~
「ビューティフルアイランド~気候変動に揺れる 美しい島の人々」
海南友子 http://kanatomoko.jp/

 南太平洋、北米、ヨーロッパ。気候変動や温暖化によって新たな選択を迫られ
ている、世界の3つの小さな島。もし、気候変動の影響が本格化したとき、消え
てしまうかもしれない美しい島の、人々の暮らしの美しさを見つめます。
来年完成予定のドキュメンタリー映画「ビューティフルアイランド」(監督・海
南友子)の映像を一部上映予定。

▼22日(水) 18:30~
 「新宿・歌舞伎町」 権徹(ゴン・チョル:韓国出身)×豊田直巳(聞き手)
http://www.wani.com/shouhin_detail.php?shouhin_code=30045

 日本有数の歓楽街、新宿・歌舞伎町。現代日本を象徴するこの町を96年から撮
り続けてきた。そこで外国人ジャーナリストが目撃した様々な事件、交錯す
る人間模様。歌舞伎町から日本の未来像が浮かびあがる。

▼23日(木) 18:30~
 「いま話したいこと、いま考えたいこと」
綿井健陽 http://www1.odn.ne.jp/watai/
トークゲスト:森達也(ドキュメンタリー作家/映画監督)
http://moriweb.web.fc2.com/mori_t/index.html

 死刑・光市母子殺害事件・秋葉原殺傷事件・映画「靖国」騒動・北京五輪…。
今年起きた様々なことを“ドキュメンタリートーク”で振り返る。

▼24日(金)18:30~
 『乱世に強く! ”戦地”の子どもたち』 國森康弘×桃井和馬(聞き手)

http://www.kunimorifoto.net/

  イラク、ソマリア、スーダンなどの紛争地や、カンボジア、ブルキナファソ
、ケニアなどの経済貧困地域に生きる子どもたちをスライドで紹介する。「命の
危険」という目の前の困難な状況に押しつぶされることなく、しなやかさを保ち
、笑顔まで見せる。行く先々で出会ったそんな子どもたちの強さに迫り、学ぶ。

▼25日(土)14:00~ 
 ドキュメンタリー映画「ビューティフルアイランド」
(監督・海南友子)の映像を一部上映。(※上映のみ。入場無料)
    
▼25日(土)18:00~
 「隠されたチベット」 野田雅也×山本宗補(聞き手)
http://www.jvja.net/tibet.htm

 今年3月、チベット全土に飛び火した抗議デモは、真実とは何か、自由とは何
かを世界に問いかけた。しかし北京オリンピックが盛大に開催されると、軍事封
鎖されたチベットの現状は恣意的に消し去られた。だが今も不安と不満のなかで
良心の声をあげる僧侶たちがいる。心に小さな火を灯し、願い、そして祈り続け
るチベットの人びとの姿を伝えます。
 
▼26日(日)15:00~
 JVJAトーク 「生命を語る」 写真展出品者(JVJA正会員)
國森康弘 権徹 野田雅也 山本宗補 古居みずえ 桃井和馬 豊田直巳 

 JVJA会員が国内外の取材体験から、私たちを取り巻く「生命」の今について、
主に今回の展示写真作品と、その写真作品の背景を縦横に語り合い、論じ合いま
す(当日のトーク出演者は事情により変更になる可能性があります。あらかじめ
ご了承ください)。

▼26日(日)18:00~ 
開催記念パーティー(参加費別途1000円)

 JVJA会員とそれを支えてくださるスタッフの皆さん、そして写真展、トークシ
ョーなどに参加された皆さんとの懇親の場です。会員の出版した写真集、著書へ
のサイン会も兼ねます。お飲み物と軽いおつまみをご用意してお待ちしておりま
すので、お気軽にご参加ください。

【お問い合わせ】
JVJA事務局 
〒101-0063 千代田区神田淡路町1-21.静和ビル2B
TEL 090-6101-6113 FAX 03-3252-7651
E-mail office@jvja.net

又は
キッドアイラック・アートホール
TEL 03-3322-5564 / FAX. 03-3322-5676
E-mail arthall@kidailack.co.jp

日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA)
http://www.jvja.net/

筆者プロフィール

中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro

1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)

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