チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2008年10月13日
Miss Tibet 2008
昨夜<ミスチベット2008コンテスト>が、ダラムサラの山の上にあるドラマスクールの中庭で開かれた。
夜遅くまで、花火などあげながら騒いでいたようですが、私は寒くなったので早めに帰ってきました。
結果はさっき聞きました。
去年の12月にカム、リタンから最近亡命してきた、ソナム・チュドゥン18歳が勝ったそうです。
賞金十万ルピー(約25万円)を獲得しました。
だいたい最初から二人しか応募者がいないというのが、さみしいことです。
主催者のロプサンはいつもチベットの女の子は恥ずかしがりすぎてよくない、何にもならない、だから応募者が少ないのだ、と言ってますが、巷では「彼がああだから女の子は怖がって来ないのさ」とか言われたりしていますが。
会場にはそれでも600人程のチベットの若者が集まっていました。
男より女性の方が多かったようです。
みんなおしゃれして、「あんなのより私の方がよほど可愛いはずよ」と言わんばかりにどこからともなく可愛い風の女の子が集まっていました。
それにしても誰もチュバは来ていませんでした。
みんな一様に、髪を長くして、ぱつぱつのジーンズにジャケット姿です。
二人の差、インド育ちとカム育ちの差があまりに歴然としていておもしろかったです。
インド育ちのジャミヤン・ツェンツォ22歳はまるで踊りがインドディスコで、とにかく派手でした。
一方のソナムは恥ずかしそうに、純カムダンスを踊りチベットの歌を歌っていました。
舞台でも前に張り出された回廊に出ることもありませんでした。
合間に歌と演奏が入るのですが、
今回一番チベットの歌がきれいで拍手喝采を浴びていたのは、
何と日本人。
高松直子さん、ポタラカレッジのクンチョック・シタールさんの奥さんです。
このところ数か月、お子さんをTCVに通わせながら歌と楽器を習っていらっしゃるのです。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)