チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2008年10月6日
ダライラマ法王は今日診察を受けにデリーに向かわれた。「チベットを知る夏」からの寄付を、
「8月の腹痛の後の定期検診であり、法王はいたってお元気だ」と法王庁のテンジン・タクラ氏の話。
私はひょっとしてデリーでxxされるのかな?とも思いますが。何れにせよ心配することはないでしょう。
ブッシュ大統領も先月、法王の御容態を心配されているというメッセージを出しています。
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今日はこの夏に東京・東中野のボレボレ座で行ったイベント「チベットを知る夏」
から得た寄付金とタルチョ風寄せ絵?を3か所に届に行きました。
まずはTCVスクール・マクロード・ガンジ分校(通称ニマ・ロプタ)。
この分校は小学校1年から5年まで。
ダラムサラの町の真ん中にあり、町に住むチベット人の為の学校です。
時々インド人とか、日本人とか韓国人、外人の子供も通ったりします。
とにかく規模も小さく可愛い学校です。
校長さんのゲン・ヤンラ女史に千ドルを手渡し、そのあとみんなで日本タルチョを広げて写真しました。
この学校の生徒の何人かにこの前のエベントの絵を描いてもらっていたのです。
校長さんはこの寄付金は図書館の図書を購入するために使いたいと言っておられました。
次に、ダラムサラの難民一時収容所。
今も閑散としたままです。
館長に会い、ここに今年の春収容されていた子供たちに描いてもらった絵を日本で展示して得たお金の一部です、と説明して、同じく千ドル寄付しました。
日本タルチョも手渡しました。
寄付金は、また子供たちがたくさん亡命してくるようになったとき、子供たちのために使いたいと話されました。
館長の話では、今はたった一人、12歳の男の子がカトマンドゥの一時収容所にたどり着いているだけだそうです。
この子はラサ出身で、両親とも中国当局に逮捕されたため、親戚の助けで亡命してきたそうです。
早ければ今年の冬にはまた亡命する人も多くなると予想しているとのこと、今は国境線はすべて厳重に閉鎖されているので非常に越境が難しい、とも話されていました。
最後に同じくダラムサラにある幼稚園「ユンリン・スクール」。
ここは2,3歳から小学校入学までの子供を夕方5時まで預かる、保育園でもあります。
町で一番かわいい子供たちが集まっています。
だいたいいつも歌ったり、踊ったり、絵を描いたりしています。
もちろんチベット語、英語に算数も教えています。
校長のダワ・ツェリン氏に会って千ドルと日本タルチョを手渡しました。
ダワ氏は長年ダラムサラのチベット市長的存在です。
お金の使い道の話より、先に自分の始めたプロジェクトだと言って、ガラス細工のアトリエを見せられました。アメリカ製のガスバーナーでイタリア製のガラスを使って、新しく来た亡命者を中心にした職人たちが、可愛いイヤリングを中心に制作に励んでいました。
この前のイベントで売りたかったな、、、と思いました。きっと良く売れたはずです。
彼はいつも何か亡命者に仕事を作ることをいつも考えています。非常に大事なことです。
彼とはルンタが始めたエイズ教育プロジェクトにも一役かってもらっています。
最後に寄付はしてませんが、我らのルンタ・レストランにも日本タルチョを日本掛けました。
イベントに協力してくださった皆さん、寄付してくださった方々、並びに日本人タルチョの絵を描いてくださった皆さんに、チベット人に代わって深く感謝いたします。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)