チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2008年9月20日
チベッタン・マスティフとチベット人
以下は「人民網日本語版」09月18日 の記事です。
http://www.people.ne.jp/a/091e38afc90344c4a5885417a8f09d0f
北京東郊外の燕郊にある百世チベタン・マスティフ園において開催された北京・チベット共催のチベタン・マスティフ交流イベントに、ファンや飼い主たち300人以上が集まった。チベットから来た無償の種犬である「赤谷」は、園内でメスのチベタン・マスティフと交尾を行い、純血種のチベタン・マスティフの子犬が誕生されることが期待されている。「赤谷」は、チベットで生まれ育った純血のチベタン・マスティフで、玉樹チベタン・マスティフ系に属する。京華時報が伝えた。
「赤谷」の飼い主である才旦扎西さんによると、「赤谷」は今年4歳だが、すでに200匹以上の子犬の父親でもある。優良な子犬は1匹200万元で売られるため、「赤谷」の価値は計り知れない。時節的にチベタン・マスティフの繁殖の季節でもあり、「赤谷」を北京に連れてきたのは、飼育経験を交流する目的のほか、純血種のチベタン・マスティフを一匹でも多く残したいと思ったからである。
チベタン・マスティフは中国チベットを原産地とし、伝説上の動物とされるヒマラヤ古髭犬が1千万年以上も前に、高原犬として変わったものだとされている。犬類では、世界で唯一、時間や環境に変化されていない生きた化石といわれている。国家2級保護動物に指定され、国宝級の大型犬で、世界でも希少種の一つとされている。チベタン・マスティフに関する、伝説や言い伝えは非常に多く、チベットの人民にとって、チベタン・マスティフは幸福をもたらす動物とされ、「天狗」「神犬」などと敬愛をこめて呼んでいる。(編集WM)
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このチベッタン・マスティフほど大きくて、吠え方が怖く、ワイルドな犬も少ないだろう。
本土でもよく自転車旅行者がこの犬に襲われるようだ。
対策として爆竹を走りながら投げるとか!?
もともとチベットの遊牧民がヤクや羊追いのためやら、何よりも狼を近づけないための番犬として飼ってる犬だ。
もちろん狩猟犬にもなる。
勇敢、獰猛なイヌだ。
ダラムサラでは法王の弟さんであるガリ・リンポチェが自宅に飼われている。
大きな檻の中に普段はいるが、とにかくこの犬の吠え方、暴れ方がものすごい。
だからなるべくこの方のお家には行かないようにしている。
(一度自宅内の設計を頼まれたが、お断りした覚えがある)
犬好きの私もこの犬だけはまだなじめません。
犬じゃないみたいな、、、チベットのイヌです。
それにしても最後の一節は泣けてきます。
まるで今の、今からのチベット人の運命?にどうしても二重写しされます。
まさにチベット人は今や「生きた化石」「世界の希少種」だ。
人間性の頂点を求めつづけた気高い人々だ。
犬の方は高く売れてるようだが、人の方は犬のように殴られ殺される。
一日も早く「絶滅希少動物」の認定を受け中国の暴力から保護されるべきだ。
それにしてもチベット犬が一匹200万元(3000万円!)とは!?
チベットのパンダ1頭は数億円、、、
ううう、、、人の中の人チベット人は?
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)