チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2008年8月25日
「チベットを知る夏」が終わった
昨日の夜、盛大?なパーティーとともに長かったはずの「チベットを知る夏」イベントが終わった。
同じ日、同じ頃にチベット人会主催のサイレントマーチが行われていた。
私はポレポレに居て参加できませんでした。
子供の絵や死体写真などのデータを送ってそれらに代わりに参加してもらいました。
デモの後に来てくださった人も多かったようです。
その中一枝さんが来られたので、どうでしたか今日のデモは、と尋ねると
「雨も降ってたしね、言葉に出せない分、悶々として、チベットのいろんなことを考えて悲しく気持になりましたよ。」
とおっしゃっていました。
ダラムサラや世界各地でこの種のデモは行われていますが、
声に出せない苦しみ、悲しみを少しは擬似体験できるというよい企画だと思います。
それに引き替え、私どもは最後のパーティーとばかり、思いきりはしゃいでいたようです。
デモに参加した後の誰かに「チベットイベントにふさわしくない」とお叱りを受けそうな勢いでした。
でも野田君の素晴らしい現状プレゼの映像が入ったので、そこは硬軟取り混ぜとご勘弁いただけるかも?
ゆかさんとテンジンの歌と演奏が実に素晴らしかった。
最後の方ではデモ帰りのチベット人たちが加わり(サイレントデモの反動も加わり)益々チベット風陽気歌え!踊れ!モードに入ってしまいました。
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そうそう、一昨日には前首相安部氏夫人の昭恵さんにいらして頂きました。
その日は狭い会場に130人という超満員の日でした。
狭い空間に押し込められたまま実に5時間半に渡りチベット映画を見、トークを聞いて頂きました。
これからもチベット支援を続けて下さるようお願いしておきました。
秋にはダラムサラにも来られるとか?
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実行委員長の南くんはもちろん、他の実行委員全員と沢山のボランティアとして働いてくださった皆さん、無料でトークに加わってくださった皆さんに心より(チベット人に代って)お礼申し上げます。
みんな根が楽しい者ばかりだったようで、はじめから終りまで何の問題もなく楽しく一仕事終えることができました。
思い返せば私としては、せっかく話す機会を与えられながら、慣れないこともあって、大事な言うべきことをたくさんいい忘れていたことに気付きます。
でも何よりも「子供たちの絵の真実の力」により
ほんの少しは「チベットの悲劇と祈りの現実」を日本人に知って貰う機会になれたと思って満足することにします。
これからも「イマジン チベットが再び理想郷を取り戻すことを」で頑張ってチベットサポートを続けていきましょう!
チベット化は中国化に比べ断然、幸せに近い変容と確信します。
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フランスベースの国境無き記者団の発表によれば、
http://phayul.com/news/article.aspx?id=22607&article=47+Tibet+activists+arrested+during+Games
オリンピックの期間中に47人の外人がプロ・チベッタンの抗議運動を行ったとして逮捕、国外退去させられ、22人の外人記者が拘束、逮捕されたという。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)