チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2008年8月13日
戒厳令下のアバ、
昨日お伝えした、アムド、アバ地区で二人の女性が軍に銃撃された事件について、
Free Tibet Campaign からのもう少し詳しい報告がphayul.comに載ってました。
http://phayul.com/news/article.aspx?id=22449&article=Chinese+troops+suspected+of+shooting+two+Tibetan+womenFTCが目撃者と電話で直接話したとのことです。
二人の女性、ソナム・ワンモ22歳、下アバ県ツェニ地区出身、茶店の店員と
ザン・イェイン28歳、カム、ギャロン地区出身
は8月9日午後4時半頃、携帯屋に近づいたところだった。
二人とも腕に銃弾を受けたという。
目撃者によれば「銃声は4,5回聞かれた。軍隊が最近占拠した建物の屋上から撃っていた」
この倒れた二人を助けに行った女性の話によれば、「軍人がしばらくして現れ、二人を連れ去った。<発砲は間違えだ!>と言っていた」と。
アバの町には軍隊が常時の5倍の規模で駐留し、町に通じるすべての道は閉鎖されている。
他の地区からここに入ることはできない。
8月1日より、午後7時以降の外出禁止令がでている。
明らかにチベット人を脅しにより黙らせようという意図がみえる。
最近、アバの近くの草原で共産党役員を集め大規模な軍事演習を行ったという。
おとなしい羊状態のチベット人に対して、これほどの脅しが必要と共産党は本気で思っているのやら?
ただ、いい口実ができたというので、チベット人を遊びに撃ってみたり、草原で大砲撃ってはしゃいだりしてるようにも見えます。
監獄で囚人をサンドバッグだと本気で考えている監視人はたくさんいます。
最近日本のメディア関係の人がカシュガルで警官に暴行され、胸骨3本にひびが入ったとか。
日本人の記者に対してもこの程度ですから、チベット人のデモをした人に対する撲打は想像をはるかに超えるということです。
もっとも警官が容疑者をめった打ちにするというのは、アフリカでもインドでも実際見てきました。でも中国は残酷さで他国を大きく引き離しています。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)