チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2008年8月9日
チベット内地は恐怖の地と化す
写真はオリンピック開会式一時間前、鳥の巣付近で行われた外人3人のフリーチベットキャンペーンの様子。詳しくは
http://www.stoptibetcrisis.net/pr080808.html
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昨夜深夜以降、少しだけオリンピックの開会式を見た。
テレビを点けると、丁度中国の選手団が入場しているところだった。
1000人を超える世界最大の選手団の入場。
もちろんみんな赤い服を着ている。
選手は明るく思ったよりリラックスしていて大変嬉しそうな顔をしていた。
その顔を見ていて、ああ、良かった、良かった、少なくともみんな笑えるようになって良かった、このまま楽しくやってほしい、と思いました。
思いだすに85年に中国に初めて行った時には、中国でウイグル族とチベット族以外の中国人が笑うのを一度も見たことが無かった。
見るのは激しい口論と本気の殴り合いばかりでした。
不幸な人々の群れ。
動物化を強いられた人々の群れ。
全員人民服の世界。
中国人が笑えるようになったのを見て、本当に嬉しい。
もちろんあまりに多くの悲しみを犠牲にした一部の人々だけの喜びではあるが、、、
フーチンタオ氏の顔が半ば引き攣ったような顔に見えたのは気のせいか?
それにしても中国の選手たちにはお金が懸ってる、中国はまだ貧しいのだ、選手たちのハングリー精神は日本人にはなかなか解らないであろう。
中国は今が絶頂期なのかも知れない。
このまま閉鎖的、独裁的、感情的であり続けるならば没落は近いであろう。
これを契機に少なくとも世界に対しもっと開けた国になってほしい。
体制が変わらない場合はアジア全体、世界全体が危機的状況に陥る日もそう遠くないであろう。
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8月8日付緊急委員会プレスリリースより、
http://www.stoptibetcrisis.net/pr080808.html
<恐怖の下に暮らすチベット人たち>
オリンピックの期間中は、市街地を中心にチベット全土が特に厳重な監視下に置かれるであろう。
僧院、尼僧院の監視状況は明らかに悪化している。
例えばラサ近郊にあるデプン僧院とネチュン僧院は完全に封鎖されたままだ。
誰も中に入れないし、中にいる僧侶たちも外には出れない。
(所謂「兵糧攻め」状態)
親族の者たちが中にいる僧侶に電話をしても通じない。全員の携帯電話が没収されているという。
特にラサ、カムのカンゼ地区、アムドのアバ地区、ラドン地区では中国軍は演習を繰り返し、チベット人を脅し、不必要な身体検査、不当逮捕を続けている。
不思議なほど同地区に住む中国人に対してはこのようなことは全く行われていないという。
中国当局はチベット内のすべての通話を監視している。外国からの電話を受けただけで逮捕される可能性があるチベットでは、外国からの電話を受けるのには相当の勇気がいるという。
このような緊迫した状況は少なくともオリンピック期間中は続くと思われる。
以下、その他今年の3月以降、多くの行方不明者がいることを名前を上げながら知らせている。
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このブログはポレポレ座の事務所で書いています。
今日はデモの日ですよね。
私もこれから六本木のデモに行きます。
でもこのポレポレで7時半からトークがあるので、早めに帰らないといけないかもしれません。
今日は西蔵先生とのトークの予定ですが、先生今日のデモに来られるし、その後もお忙しいようなので来れないかも?
代わりと言っては失礼なのですが、写真家の野田君が来てくれる予定です。
最新映像を沢山見せてくれるはずです。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)