チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2008年8月8日
8.8.08北京オリンピックの日
今日オリンピックが始まる。
オリンピックのイメージをこれほど壊してくれた大会も少なかろう。
それでも日本などは商売上のお得意様の期限を損ねては大変とばかり、できるだけの笑顔でオリンピック祝賀ムードを盛り上げることに努めているように見える。
この半年でチベット人は300人は殺され、数千人が逮捕されたままだ。
チベット全体が再び文革時代に戻された。
中国のほんの一握りの指導者のメンツのためにどれほどの非人間的犠牲が強要されたことか。
中国共産党は強権、全体主義、恐怖政治こそ経済発展に好ましい政体、オリンピックを安全に開催できる政体だと世界に証明することにこれで成功したと考えることであろう。
人間的、道徳的価値より物質的、経済的価値の優先が世界の潮流だと証明できたと思うことであろう。
実際人権と民主主義、精神的価値に関心の薄い日本は速やかに中国世界に迎合し飲み込まれてしまうであろう。
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昨日デリーでは3000人のデモ、ネパールでは2000人、ダラムサラでも1000人、
今日も世界中で<フリーチベット!>のデモは数万人規模で行われるであろう。
<フリーチベット>から<フリーチャイナ>、<フリーアジア>へと運動が広がることを心より願う。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)