チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2008年8月6日
死のハンストは?その他
死のハンスト参加者の一人ジャンジュップ・サンポは4日次のように話たという、
「仏様の御加護か?私はここまでひどい渇きも餓えも感じることなく来れた。
我々はチベット人種、その文化、宗教を守るため、また世界平和のために自分たちの命を犠牲にするのだ。
身体の要求する飲食への執着と闘うことができる。
我々のこの努力によりチベット問題に進展が来ることを願う。
チベット人はどんなことにも落胆することなく目的に向かい手を携え一緒に働くべきだ。
もしも、内地チベットの苦しみを少しでも軽減することができるなら、本望だ、ここでの我々の仕事は成就されたことになる」
<500人の警官が動員され、死のハンスト9日目にして6人は病院に強制的に収容された>
http://phayul.com/news/article.aspx?id=22258&article=Police+Take+Hunger+Strikers+to+Hospital+for+Medical+Care200人のチベット人が人間の鎖を作り、500人の警官隊に抵抗を試みたが果たせず、87人が逮捕された。
6人は全員最後の力を出し抵抗した。
医師の判断でこれ以上続ければ死人が出るとされ、警察はこれは無視できないと介入したわけだ。
特にその中、ワンドゥ・プンツォック氏の容態は危機的だったという。
彼だけが僧侶ではない。
彼は私も設計で関わったノルブリンカの出身だ、足が元々悪く身体障害者であった。
寡黙だが非常にやさしい人だった、と彼をよく知るT氏の奥さんが心配していた人でもありました。
ソダック31歳は待ち構えていた救急車に無理やり乗せられる途中、ヒンディー語で「自由は甘美だ!
自由がほしい!
みんな自由を愛している、
時が来た!時が来たのだ!
自分たちの番なのだ!」
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ダライラマ法王はダラムサラにて昨日から三日間ティーティングに入られています。
今回は韓国グループのリクエストによる特別講義。
アティーシャの<菩提道灯論>を解説されています。
写真はY女史から送られてきた二枚です。
通りすがりに、日本人グループに特別の挨拶をされる法王だそうです。
法王はもちろんTYCから今回のハンストを止めないようにと要請はあったと思う。
しかしこのところ心を痛めておられたはずです。
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昨日は九段会館で行われていた、<2008年中国・アジア民主化支援世界大会>
に途中から見学にいってきました。
http://www.supportdca.net/jp/Press.htm
そうそうたるメンバーが次々にパネラーを務め、特に最後のグループであった89年6月4日を体験した人たちはみんな特に熱い人たちだと感じました。
とったノートここでまとめるのは大変。
最後に牧野先生がまとめた宣言が、、、まだネットに乗ってないようですが、出たら転載します。
それにしてもなぜか傍聴人の少なかったことには驚きました。
こんな大事な会議なのにもっと宣伝してほしかったな、、と思いました。
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久しぶりの北京の福島さんのブログより
http://sankei.jp.msn.com/world/china/080806/chn0808060033002-n2.htm
途中から、
■テロとは何なのか。
これが、日本の秋葉原でおきて、犠牲者が一般市民で犯人がイカれた若者なら、凶悪な無差別殺人。世論はどうしてこんなわけの分からない事件がおきるのか、と怒り悩み、社会や教育に理由をもとめようと議論をかさねる。取材に殺到するメディアには、納得する人もいるが、デリカシーがないと批判する人もいる。
■これが、上海の公安局でおき、犠牲者が警官で、犯人がかつて取り調べ中に受けた屈辱を逆恨みした報復であれば、犯人は犯罪者として裁判で裁かれ死刑になるだろうが、世論は刃物一本に警察にたちむかったと、英雄扱いもする。
■これが地方の農村で発生し、犯人が農民や漢族の大卒無職者で当局の汚職・腐敗の不満が原因だったりすると、「集団事件」とよばれ、メディア統制のもと、隠せる場合は一切報道されない。でも、動画投稿サイトなどで隠し撮り映像などが流れて、ネット世論がもりあがると、独立系メディアが報じて明るみになることも。あまりにもしょっちゅうおきるので、世論も実はおどろかない。
■犯人がウイグル族(あるいはチベット族)の場合、これは政治テロとなる。犯行が独立という政治目的になるからだ。しかし、誰がどこからみても、チベットや新疆が独立する可能性などない。実は、秋葉原の事件だとか、上海の事件だとか、あまたある地方の集団事件と変わらない、社会のひずみや不満や弾圧・迫害への報復など、社会的犯罪に近いものかもしれない。
■ここで、チベット族老コミュニストのプンツォク・ワンギェル氏の言葉を再び思い出す。漢民族地域で何かあれば、それは『騒ぎ』だというが、少数民族地域では『反乱』とされて「鎮圧」される。兵を用いれば、あっさりと乱を治めることができるかもしれないが、その後遺症ははかり知れない。
■殉死された武装警察官には深い哀悼をささげたいし、テロには断固戦わねばならないが、この事件の1年以上前から、五輪にむけた治安維持のために、民間人のウイグル族を巻き添えにした、えげつない「テロ組織」壊滅作戦が実行されてきたこともやはり思い出してしまう。ウイグル族女性の都市部への移住政策と漢族との結婚政策は民族融和といえば聞こえがいいが、これがウイグル族の深い恨みを招いていることもやはり考えねば、本当の平和は来ないのではないだろうか。
■漢族には漢族の意見があろうが、私はウイグル族が、そう遠くない将来、日本のアイヌのような運命をたどってしまうのではないかと、同情の気持ちも禁じ得ない。五輪というのは、本来ならスポーツを通した民族や国境を越えた理解、尊重など調和を考える機会でありたいのに、どんどん本質と離れてゆくイベントになってきて悲しいかぎりである。
■国内の少数民族政策についての問題点や国際社会の意見を自由にかわせる機会を五輪の競技場の外で設ければ、本当はそれが11万人の治安要員の動員よりももっと有効なテロ防止策になったかもしれない。中国が、テロや暴力には一貫して反対しつづけるダライ・ラマ14世やラビア・カーディル女史を開幕式に招待するくらいの懐の深さをみせれば、五輪はもっとよい雰囲気で行えたかもしれない。まあ、あと3日で始まってしまう今は、何をいってもせんないが。五輪が無事におわりますように、心から願っている。
<2008/08/05 13:16>
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今日は広島の<原爆記念日>
被爆者である亡き母が、この日は必ず朝から長いこと仏壇を前に祈っていたことを思い出します。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)