チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2008年7月31日
言論の自由
TCHRD(チベット民主人権センター)
7月30日付のリリースより。
http://www.tchrd.org/press/2008/pr20080730.html
<オリンピック祝賀会に反対したチベット人4人が逮捕される>
青海省北東部ナンチェン県のジュクンド地区ではオリンピックに向かって開かれる5日間の夏祭りのために一家族のうち最低一人が参加することを強制した。
25日にはそのリハーサルがあった。
歌われる歌はチベット文化を高揚するようなものとか、ダライラマ法王あるいはカルマパを讃える歌詞が含まれていないかを事前に念入りにチェックされたという。
祭りの3日前7月26日、
アサン・ベサツァン21歳、ゴスー・コンキャップツァン35歳、ジャンセンとカドの4人が準備のために集まっていた大勢の地方役人とチベット人の中で
次のように叫び始めた、
「今年は祭りをするような年ではない。大勢のチベット人が殺された。むしろ弔いと祈りを捧げるべき年だ」
「我々は自由を求める!」
「ダライラマ法王よ!チベットにお帰りになられよ!」
同時にパンフレットも配った。
その時はそのまま彼らは村に帰ったという。
それを見たチベット人たちは祭りのためにテントを張るのをやめ、全員テントをたたんで引き揚げて行ったという。
残ったのは中国政府のテントだけとなった。
その夜彼ら4人はドショ地区で逮捕された。
現在ナチェン県公安拘置所に拘置されている。
この逮捕を知った地区のチベット人たちは28日、公安に対し「4人の即時解放を要求する。解放されるまでチベット民衆が後ろについている」という手紙を送ったという。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)