チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2008年7月28日
真理の言葉のマネ
実際、、
己の宝の如き、唯一の、儚い心を守るようにチベットの心を守るべきなのだ。
己の宝の如き、唯一の、儚い身を守るようにチベットの大草原を、雪山を、大河を碧い湖を守るべきなのだ。
さもなければ、例えば、それは最愛の人が消え去り、二度と帰って来ないが如し。
己も最愛の人もチベットもダライラマ法王もチベットの獄中の拷問も、
実体なく、幻に過ぎないのだけど、
仮にも、現象としては存在するのだから。
チベットの空と星とダライラマ法王の教えとその拷問を知らない者には
本当のチベットの苦しみの深さ、その消滅の量り知れぬ、
掛けがえのなさを知ることはできないであろう。
私は幾夜と知れず、チベットの満点の星降る夜空の下で眠った。
洞窟と廃墟がお気に入りの場所だった。
でもチベットの監獄で中国人に拷問されたことはまだない。
想像しただけで、自分の小さな苦しみは消え去る。
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半年ぶりに広島の空っぽの実家に帰ってきた。
この家は海のすぐそばにある。
電気と水道はすぐに開通!
ここはインドの山奥じゃないんだから。
まるで海も家も何も変わらぬまま
幻
チベットのことなどなかったと言われれば
そうなのかと思ってしまうような、、
今年のチベットのことは果たして、
起こって良かったのか
悪かったのか
まだ判らない
それにしても、実際
チベット人の勇気は計り知れず、
その質は特上だと思う
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)