チベットNOW@ルンタ

ダラムサラ通信 by 中原一博

2008年7月18日

内地よりの電話情報、二か月以内に亡命させた子供をつれ戻せ

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20681ab3.JPG昨日少しお知らせした、アバ、キルティ僧院僧侶3人の刑期確定等、

7月17日付委員会リリースより
Y女史訳

http://www.stoptibetcrisis.net/pr170708.html

<不公正な裁判、追い詰められ自殺>

確認された情報によると、7月10日、アパの人民法廷は僧侶3名に対し、13年間の
投獄~終身刑
を言い渡した。
3名の僧侶はケバ(23歳)、テルゾゥ(25歳)、ツェコ(27歳)で、順に終身刑、15年、13年の投獄が宣告された。3名とも出身はアパのガメ・ロタ地域。
法廷は僧侶達について、3月16日のアパで起ったデモの際に略奪、放火、強打による器物損壊といった行為により有罪であると断定した。
僧侶達には何の法的擁護権も与えられず、また彼らを弁護するための独立した立場の法定代理人もなく、まったく強制された判決だった。

6月29日には、ツェギャル・パルバツァンを含むチベット人4名がチャムドチベット族自治区ジョンダ地区ゲナンで逮捕された。
そこでこの地域のチベット人達が彼らの釈放を求めて6月31日に運動を始めたところ、中国治安部隊が今度はこれに加わった32名のチベット人を逮捕した。
最後に伝えられた報告によると、7名を除いて全員が釈放されている。
まだ拘置されているチベット人7名は、ツェギャル・ペルバツァン(74歳)、ジャミヤ
ン・ツェリン・モモツァン(46歳)、アニョク(41歳)、パルチェン(38歳)、
ツェリン(22歳)、チョダップ(21歳)、ソナム・ダルギャル(39歳)。
チャムドの刑務所側は高齢のツェギャル・ペルバツァンの収監を拒否したので、彼はジョンバ地区刑務所に収監されている。
ソナム・ダルギャルは健康状態が悪化しているにもかかわらず拘留されている。
他のチベット人達の所在や、彼らが投獄されたか否かについての情報は、不明。
当初のチベット人4名の逮捕理由は、冬虫夏草の採取の後に抗議活動を予定していたことが漏れたため、とされている。

6月18日、カンゼチベット族自治区ニャクチュ地区ミニャグにあるダパ・ヤンデン僧院のタンマという名の僧侶が、ダライ・ラマ法王を非難せよという圧力に耐え切れず
に自殺した。
中国当局はダライ・ラマ法王を非難する運動を推進しており、五星紅旗を僧院の上に掲げるよう命じている。
亡くなる前、この僧侶は、ダライ・ラマ法王を非難することは信仰の上で不適切であり自分自身の心の誓いを汚すことになる、と述べて、その代わりに自分の人生を短く打ち切ろうと宣言したという。
彼の死に続いて、僧院にいた工作チームは、この僧侶の死をめぐる状況について外界の誰にも伝えてはならない、と全員に命じた。
当局は、もし誰かが情報を漏らした場合は悲惨な結果をもたらすことになる、と警告
したという。
この僧院が運営していた学校(生徒数30名)も同時に閉鎖された。

カンゼ自治区では自治区政府が、8月以降のすべてのチベット人による屋外活動の制限を命じている。
数日前にはカンゼ本部当局によって逮捕された数名のチベット人の釈放が発表されたにも関わらず、今のところまだ誰も釈放されていないという。
大勢のチベット人達が5日間ほど、希望をもって待ち続けている。一方、チベット
人の多くは、これは当局が更なる抗議行動の発生を防ぐための策略に過ぎない、と考えている。
中国政府はカム地方でのチベット人達の動きを統制しようと、同地方内の多くの地域における石油やディーゼル重油の販売を制限している、と伝えられている。
また、少なくともここ二ヶ月以上の間、電話やインターネットを含む通信機器の使用についても制限・監督下に置かれている実態を示唆する報告も寄せられている。

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<中国政府の下に働くチベット人で子供を亡命させインド側でダライ一味の学校に通わせている者は、二か月以内に子供を呼び返せ>

http://www.tchrd.org/press/2008/pr20080715.html

TCHRDその他の情報によると、7月14日当局は中国共産党員及び政府に雇われているチベット人に対し、子供を亡命させ、ダライ一味の学校に通わせているものは二か月以内に子供全員をチベットに呼び戻せと命令した。
これに従わないものは厳しく罰せられるであろう、と警告した。

ーーー
これと同じ命令は1994年にも出たことがある。
その時は42名の子供がチベットに帰らされたという。

実際には首になることを覚悟で子供を呼び戻さなかった親が多かったという。
今回も相当数の子供がインドでの勉学を諦め、逃げてき来た遠い道を再び辿ってチベットに帰らされることになるであろう。
そうしなかった親は職を失うことであろう。

チベット人の将来への希望を断つためか?
まともな教育を与えず、亡命した子供の教育までも邪魔しようとする中国共産党
、、、、、

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

私はここバンガロールを明日昼ごろ立ち、デリーより夜行フライトで20日の朝成田に到着予定。

22日からは私たちの企画した。

<受難と祈りー、チベットを知るための夏>
http://tibet-free-tibet.com/

が始まります。
最後にもう一度宣伝させてもらいます。

前期 2008年7月22日(火)~8月10日(日)月曜休み
後期 2008年8月19日(火)~8月24日(日)
営業時間 火曜~土曜11:30~23:00
日曜11:30~18:00
会場 space&cafeポレポレ坐
JR総武線・地下鉄東中野駅下車1分

tel:03-3227-1405 / fax.03-3227-1406
(毎週・金土日に映画上映会があります)

初日は:
7月22日(火) 18:00 オープニングセレモニー
・川辺ゆか チベット音楽ミニライブ

ゆかさんの歌は迫力ありますよ。
私も出来るだけ会場に居るようにします。
このブログを呼んでくださっている日本のチベット仲間に会うのを楽しみにしております。
みなさんお誘い合せの上会場にお越しください。
もちろん一人でもいいのですよ。

————

今日はチベットの祝日<ザンブリンチサン>の日。
直訳すると<全世界へ香供養する日>となるが、これを英語に直し<WORLD PEACE DAY>とした。
世界平和を祈る祝日をもつのはチベットぐらいじゃないだろうか?

もっとも今日も現場は休みなしだ。

筆者プロフィール

中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro

1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)

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