チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2008年6月24日
カンゼでデモに発砲許可命令!?
先ほど、N局とある露天商の撮影をしていました。
彼ら夫婦はカムのカンゼから亡命し、今はダラムサラの町でサンダルとか、傘とかを売っています。
二人の部屋まで行き、ツァンパの昼食とか撮影していました。
途中で私が「そう言えば二人はカンゼの出身だよね。このところカンゼでは毎日デモがあるよね、、、」
「そうだ毎日ある。ちょうど今日からは中国はデモした者をその場で銃殺すると言ってるよ」
「ええ!銃を使うの?今までは使ってないはずだけど。それ誰に聞いたの?」
「電話だよ。自分たちはよく国に電話してる。
通じないことも多いけど、時には通じる。丁度昨日は通じた。
親戚の者がいうには、昨日中国は会議を開いたとかで、そこで決められたことは、
<24日以後反中国のデモを行なったり、またはデモに加わるとか、ただ見物してもいけない。チベット人が集会を開いてもいけない。今後いかなるそのような状況に対して当局は発砲を含めた厳しい態度で臨む>
とみんなに警告したそうだ」
「う、、、、、!!!」
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まだチベットの各報道機関もこのことは発表していないようだ。
しかし、彼らの話ははっきりしていた。
いずれすぐにはっきりするでしょう。
しかしこれからどうなるのか?
撃たれること覚悟でデモする者がいるのか?
それにしてもこんなことが公に決定され、発表されるとは!
何という国でしょう。
なおN局はこの部分録音してません。
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先ほどこの件をTCHRDに問いただしたところ、
「その情報はこちらにも入ってる、確かと思われる。でもうちではいま、会議が開かれたというなら中国側から何らかの発表があるのではないかと思い、待ってるところだ。
もちろん<発砲する>と言わないだろうが、何かしらのそれを示す言葉が入るはずだから」
とのことでした。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)