チベットNOW@ルンタ

ダラムサラ通信 by 中原一博

2008年6月22日

セルタ、カンゼ、ラサで抗議は続く

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06ceaca4.JPG中国は6月20日、1157名のチベット人囚人を解放すると発表した

オリンピックトーチがラサに来る時に合わせて寛大さ?をアピールしたつもりだろう。それにしても本当ならば、良い話である。
しかし、亡命政府は今だ、これらの囚人が解放されたとの情報を得ていないという。
それにしてもまだ監獄に残されている者は少なくとも5000人はいる

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以下委員会リリース6月20日、21日付をもとに今週チベット内で起こった、チベット人たちの抗議活動についてお知らせする。

http://www.stoptibetcrisis.net/pr200608.html
http://www.stoptibetcrisis.net/pr210608.html

6月19日現地時間2pm、カム、セルタ(色達)市中でにおいてセルタ・クツァ村出身の僧侶ガユはチベット国旗をかざしながら<ダライラマ法王に長寿を!><法王はチベットに召還されるべきだ><チベット独立!>と叫びを上げた。

周りにいたチベット人たちが相当数彼の行進に加わろうとしていた時丁度、大勢の中国の武装警官隊が押し寄せ、市民を蹴散らし、僧侶を逮捕した。

同19日カム、カンゼでダド地区出身のロプサン・ツェワンが抗議行進をした後逮捕された。

6月18日同カンゼにおいてギャマダック尼僧院の二人の尼僧ドゥンツォとタシ・ツォ抗議行進を行った。暴行の上逮捕された。

同日同カンゼ庁舎前にて、午前11時頃、ベリ僧院の僧侶3人が平和的抗議活動を行い逮捕された。
3名は元僧院読経師タンゲ、現僧院読経師ロプサン・ゲレック及びロプサン・パルデンである。

同18日ラサのデブン僧院でデモを行おうとしていた僧侶達に対し当局は威嚇射撃を繰り返したという。
同日、セラ僧院でも12人の僧侶がデモの後、逮捕されたとの情報が入っているが、詳細は不明。

日付不明ではあるが最近の出来事として伝えられたところでは、セルタ地区のチョサン・テマ村で行われた<愛国教育キャンペーン>の様子を写真に撮ったことが当局に見つかった僧侶ワンルはその場で激しい暴行を受け、逮捕された
家族が釈放を懇願したが、これに対し当局は2万元(約30万円)の保釈金を要求しているという。

カムのセルタ地区ではデモがこのところ連続的に起こったので、当局は地区の軍隊を増強しつつある。
そんな中、誰がやったのかは不明だが、地区の大きな丘の上に<チベット独立>という文字が刻印されて大きく浮かび上がった。遠くからもよく見えるように、文字は水晶入りの石灰で上塗りされていた。

先にこの地区でデモをして逮捕されたリダック、メンキャップ、グソの3人はセルタ地区刑務所の中で激しく拷問されたとの情報が解放されたものから報告された。

6月15日カンゼ市内の市場で3人のチベット人がダライラマ法王の写真を掲げ、パンフレットを配り、<王に長寿を!チベット独立!>等のスローガンを叫びながら行進した。
氏名はソナム・ワンゲル、リンチェン・ドゥンドゥップ、ドルジェ・ロトゥ。
彼ら3人はこのところ冬虫夏草採りのために山に入っていたが、山から降りて来て沢山のチベット人が逮捕されひどい仕打ちを受けていることを初めて知り、早速デモを行ったという。
彼らもその場で激しい暴力を受け逮捕された。

筆者プロフィール

中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro

1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)

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