チベットNOW@ルンタ

ダラムサラ通信 by 中原一博

2008年6月19日

マチュ僧院略奪隊、NY,ローマデモ、キリスト教徒弾圧

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アムド チェンドック僧院C/R RFA
6月10日付のRFAによれば
http://www.rfa.org/tibetan/otherprograms/newsanalysis/pla-raided-amdo-machu-tsandok-monastery-06102008111744.html(チベット語)

アムド、マチュ(マ曲)にあるチェンドック僧院に数百人に及ぶ軍隊が突然押しかけ、
銃で僧侶達を脅しながら、僧院内の貴重品をことごとく略奪し、さらに僧侶一人一人の宿舎を回りそれぞれの部屋から金目のものをすべて持ち去ったという

その時会い逮捕者が出たかどうかは不明。
この僧院には普段400~500人の僧侶がいるという。
写真はこの僧院に軍隊が押し寄せる光景。
貴重な証拠写真だ(C/R RFA)

軍隊は独立採算制とは聞いているが、最後はただの集団武装強盗となんら違いはない。
マフィア軍団の実態だ。

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チベットへの帰還行進は何度も逮捕されながらも国境近くまでたどり着きとうとう全員逮捕された。
その様子を伝えるビデオが以下に行けば見れます。
http://www.rfa.org/english/tibetan/
彼らは本当に頑張ったと思う。
参加者は最近チベットから亡命してきた僧侶、尼僧が多かった。
その他年老いたチベット人も多かった。

熱い熱いインド平原を数か月も野宿しながら歩き続けることだけでももちろん大変な忍耐がいることだ。
山地に入ってからは雨が続いたはずだが、雨にぬれることなど全く意に介しない人たちだ。
巡礼に慣れたチベット人だからこそやれるのだとも思う。
その上何度も逮捕され中には一か月拘置所に入れられていたものもいる。
強い思いがなければできない行為だ。

土地は飛んで15日にはローマでチベット人と支援イタリア人2000人が「チベットにオリンピックトーチを持ち込むことに反対し、イタリア首相及びEU代表が北京オリンピックの開会式に出席しないことを要請する」デモを行った。

17日にはNYでも同様のデモが行われ数千人のチベット人及びサポーターが中国領事館前からUNビルまで行進した
NYでは毎日小規模のチベット支援デモが行われているという。

日本人は大人しい人種なのか?人権に無関心なのか?情報不足なのか?つまり島国なのでデモは少ないようです。(外野からすみません!ちゃんと日本だって忙しい中やってますよね)

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以下はこのところ連続で添付させて頂いてる共同通信の今日付けの記事です。
チベットのことでは無いのですが、同じ中国政府の弾圧に苦しむキリスト教徒の抵抗情報戦の話です。

 北京五輪企画「五輪の風―世界が見る中国」6回続きの(4)
信者守れ、米から弾圧告発 
 スカイプが中国を変える 

米南部テキサス州ミッドランドの民家を改造した中国人牧師ボブ・フー(中国名、傅希秋(ふ・きしゅう))の事務所には、約一万キロ離れた中国から驚くほど多くのキリスト教「地下教会」の摘発情報が寄せられていた。
 中国では個人の通信も検閲対象だが、監視の網をくぐり抜け、デジタルカメラで撮影された「拘留通知書」などの公文書が添付された情報も多い。それを可能にしているのが無料インターネット電話の「スカイプ」。「検閲にかかりにくいため有力な伝達手段だ」とボブは説明する。文書が手元にあるからこそ「わたしの告発は国際的に信用されている」と語った。
 十五畳ほどの事務室の壁側に設置された本棚には、中国語と英語の宗教専門書がびっしり。書斎机に置かれたパソコンのスカイプ画面をのぞくと、中国大陸にいる百人以上の情報提供者のコード名が登録されている。
 「北京五輪を前に当局が五月初めから本格的な地下教会摘発を開始している」。ボブは誰よりも早く中国当局の動きをつかみ、「弾圧の事実」を自らが主宰する特定非営利活動法人(NPO法人)「対中援助協会」のサイトに掲示、世界のメディア、宗教者らにも電子メールで発信した。
 「事実の発信こそが拘束された信者を拷問などから守る最大の手段だ」
 一九八〇年代後半、地元の中国山東省の大学で共産党公認の学生組織の副代表を務め、党幹部候補だったボブの人生を変えたのは八九年の天安門事件。ボブも参加した北京の天安門広場での民主化要求運動を指導部が戦車を動員して弾圧、多くの学生が犠牲となった。
 「失意のどん底に突き落とされた時に心の支えとなったのがキリスト教だった」。中国では党公認の宗教活動以外は違法とみなされ、取り締まり対象となる。党のイデオロギーと矛盾する聖書の解釈も認めない。これを嫌い、民家などを使った「地下教会」活動に身を投じたボブは九七年、妻とともに拘束されたが、米政府の圧力で釈放、米国に逃れた。
 「ひそかに米政府高官と情報交換をしている」。中国でのキリスト教信者数は現在九千万人ともいわれ、米政府は中国に宗教の自由の拡大を強く要求。ボブは米政府と連携し北京五輪に向け中国への圧力を強めている。
 ミッドランドから北東約三千キロのニュージャージー州ベルフォードでもスカイプを駆使する在米中国人に会った。
 天安門事件で拘束された活動家のうち、米政府の圧力で最初に釈放された王濤軍(おう・とうぐん)は、中国・桂林の反体制作家、荊楚(けい・そ)とスカイプのビデオ電話で情報交換している。
 四川大地震で中国政府が情報を積極的に公開しているとの評価が出ていることに話が及ぶと荊は、ビデオ電話を通じ笑みを浮かべて指摘した。
 「未曾有の震災で、極めて多くの情報がインターネット上を飛び交い、政府は一時的に管理できなくなった。積極公開ではなく、情報を隠しきれないと判断しただけだ」(敬称略)(共同)

筆者プロフィール

中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro

1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)

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