チベットNOW@ルンタ

ダラムサラ通信 by 中原一博

2008年6月11日

バイクでデモ等、3・10から三カ月が経ち

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b7da0ca4.JPG左の燈明は昨日夕方、3月10日から3か月が経った日に思いを新たにするためにダラムサラのツクラマンの集会に集まった人々が、これまでの犠牲者の霊を弔うために燈もしたもの。

TCHRD本日付けより。
http://www.tchrd.org/press/2008/pr20080611.html

本日朝11時ごろ、カンゼ市内の中央市場内の交差点の一つで、数人のチベット人達がプロチベットなスローガンを叫びながら、同時にパンフレットを配り始めた。
パンフレットの中には
「ダライラマ法王が一日も早くチベットに御帰りなさいますように。
チベットに自由を。逮捕されたチベット人を解放せよ。中国は自国に帰れ、等」記されていた。

間もなく、武装警官隊が現れ、彼らは囲まれ、少なくとも3人がその場で棍棒で殴りかかられ、蹴られ逮捕された。

彼らの内2名の名は:
ナムセ・ラモ 30才 ダンゴ、タゴ村出身 農婦 二児の母
テンジン・ダルゲ 32才 カンゼの農夫 幼い子がいるとか
もう一人は僧侶だったというが氏名は今のところ不明とのこと。

ーーー

もう一つは、先の6月9日付の委員会リリースによると、
http://www.stoptibetcrisis.net/pr090608.html

6月5日、カンゼのダゴ・ゾン(地区)の中央市場で3人のバイクに乗った若者がチベットの国旗をはためかせながら、チベット独立を叫び、パンフレットを配った
その後どうなったかは不明であるが、うまくそのまま逃れたという情報もある。

ーーー

バイクでデモ!いいですね!
<バイク>は今のチベット人の若者の<馬>だそうです。
大型バイクが主流です。

不謹慎なコメントすみません。
私もここではバイク族なもんで。

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3月10日から3が月が経った

チベットではこの三カ月間一日としてデモの起こらなかった日はないでだろう。
かの新華社ですら、「3月10日から25日までの15日間に150のデモが様々の地域で起こった」と伝えているという(委員会伝)。単純平均して、一日に10回のデモと言うことになる。
今もカムだけでなくチベット高原の至る所で衝突が起こっていると思われる。
デモに参加した人も、高僧、平僧、尼僧だけでなく農民、遊牧民、教師、学生、高校生、中学生、政府職員、商人、金持ち、貧乏人、主婦、その他様々なチベット人達が参加した
またチベットのあらゆる地域で人々は死に物狂いで叫んだ。
そして殺されて行った。
私の推測では犠牲者は今までに250人ほどと推定している。
その他不具者にされたものは数知れずだ。
逮捕者は5000~10000人か?

デモと言ってもその99%は平和的行進に過ぎない。
それに対し中国当局は常に非常な暴力を使い、時には銃弾を使いチベット人を弾圧し続ける。

世界は特に日本では地震以降、チベットが取り上げられることは極端に少なくなり、今はもう忘れられ掛けている。

時に記事になるのは、新華社伝の<チベットのテロリスト>位だ。

phayul.comによると、
http://phayul.com/news/article.aspx?id=21593&article=China+says+stop+Tibet+protests+to+advance+talksイタリアのローマで本日、中国の外務大臣ヤン・ジェチは

ダライラマが話をしたいなら世界中のデモをやめさせろと言ったという。

「ダライラマ側は祖国分裂工作を停止すべきだ。
中国に反対する暴力的破壊行為をやめ、オリンピックを汚す行為をやめるべきだ。
そうすれことが将来の対話の(善き)条件を作ることになろう」
と言ったそうな。
ホープレス!

中国では自分のやってることが、敵のやってることになるらしい。

<中国は言葉の国>と呼ばれるそうだ。
言葉が先、言葉がすべてなのだ。真実が問題なのではない言葉が問題なのだ。
言葉が真実に先行する。
幻の言葉が。

孔子の<実名論>の影響が2500年後にこんな形で現象していることを見て、さて孔子はなんと思うことだろう?

チベットでは仏教に従い<現象は言葉のみ>といい、言葉の非実体性を説く。
言葉に惑わされない真実を求め、善悪を見極め、良心に従う行動を説く。
真実が言葉に先行する。

筆者プロフィール

中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro

1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)

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