チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2008年6月10日
どちらがテロリスト?
もう一度6月8日、カンゼのダゴにおいて、一人で声を上げ、パンフレットを配った27歳の尼僧ツェリン・ツォモ・ラの写真を載せる。
この華奢な体のどこに死を覚悟する勇気があるのか。
それにしても、
こんなか弱い女性を寄ってたかって殴る、蹴る、鉄パイプで叩くとはもう人間のやることではないと思う。
軍隊や武装警官が履いている靴の先には鉄が入っている、それで男が思いきりこんな女性を蹴るとどうなるか?
それも寄ってたかって何度も!何度も!
きっと彼らは「デモをする奴は誰でもその場で殴り殺せ」という命令を受けてるに違いない。銃は使わなくともチベット人は殺せるというわけだ。
一体どちらがテロリストなのか!?
ここでふと思い出した話がある。
これは、ずいぶん前に本多勝一さんがカンボジアを取材したレポートを発表されたが、その中の話。
「ポルポトはどうしてこのような残忍な虐殺を実行することができたのか?人はこんなにも残忍になれるのか?人が人をそんなにも簡単に殺せるのであろうか?」
と疑問を呈したのち、
「彼らを最初から訓練したのは中国から送られて来た人民解放軍の将校たちだった。
まず、手はじめに毎日必ず小動物を殺すことを科す。ネズミとか鳥、ウサギ等がその対象となる。そしてつぎには猫から犬を殺すのに慣れさせる。
毎日動物を殺しているとそのうち動物を殺すことなど何とも思わなくなる、それどころかもっと殺したくなる。
そうしてついに人を殺させる。
何人も一緒に殺させる。このようにシステマティックに大量虐殺の何とも思わすに実行できる心が造られるのだ」
以上記憶(凡そ30年前)違いがあればお勘弁。
それにしても中国は昔から、そして今でも世界の恐怖政治の一番のパトロン、指導国家なのだ。
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今日の朝ヨガの最中、隣で<犬のアーサナ(ポーズ)>に入ってたチベット人のT(彼も元政治犯)が急にマットの上に何か気になるものを発見したらしくポーズを崩し目をマットに近づけた。
そこには小さな小さな黒い虫がいた。
彼はそのままそこにいて貰うと、自分が踏みつぶしかねないと思い、どうにかその虫をどこか安全なところへ避難させようとしていたのだ。
下手をするとつぶしてしまうので彼は息をやさしく使いながら時間をかけてその虫を外に誘導した。
実にこれが本物のチベット人なのだ。
チベット人であるかどうかはまず小動物に対する態度ですぐわかる。
チベット人にとってすべての有情は母なのだ。
蚊を殺せば顔がチベット人でも本物のチベット人とはいえない。
だから蚊も殺さなくなればどんな外人だって日本人だってチベット人と言っていいだのだ。
何というこの違い!
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以下はフォト・ジャーナリストの竹内 正右さんが2001年4月に発表されたチベットに関する記事の一部です。
http://www1.u-netsurf.ne.jp/~asakyu/a_jouhou/n0104_44.html全文は相当長いのですが、様々な視点からチベット消滅を目す中国の実態を知らせてくれています。
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九九年十二月、北京の秘密戦略会議で「チベット仏教も、チベット文化も根絶させ、チベットの名も消すべきだ。四川省に併合しろ」と言った人物の名がついに判明した。その名は西蔵自治区書記・陳奎元。内モンゴル党書記を歴任してきた人物だ。
この言葉は個人の言葉というより、共産党の意図を代弁したものと言っていいだろう。この言葉が二十一世紀を迎えたチベットで、チベット人の頭上に大ナタが打ち降ろされ、チベット文化のジェノサイド、民族破壊(エスノサイド)が展開されているのである。西部大開発計画のための資金を日本を中心とした外資に求めている同じ共産党の要人の言動である。
西部大開発計画に財政、インフラ投資をすることが何を意味するかは瀝然としている。チベットを消滅させ、中国共産党経営のコロニーを創るのに手を貸すことになるからだ。
かつて関東軍が満州帝国を創った折、外国資本が手助けしたとは聞かない。後世、史家はチベットを消滅させた国、人物の責任を問うに違いない。そこに日本と日本人の名が在っていいのだろうか。答えは、否である。
が今、あの文化大革命を礼讃報道した実績を持つ日本の一部新聞メディアの中に、あの時と同じような姿勢の報道が始まっているのに気づいたのは私だけではないだろう。
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カムのカンゼのダゴと表記していますが、旅行人ガイドブックなどでは<ダンゴ>となっています。ダゴがチベット語発音に一番近いと思います。
カンゼの東南東70キロのところにあります。
なお、先ほどTCHRDによって昨日の記事で、なぜ一人の僧侶が死亡したことを書かなかったのかと聞くと「確認がまだここには入ってないから」とのことでした。
委員会は確認したつもり、こちらはまだその段階でないと言うことです。
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地震のことについてはもちろん福島さんの以下のブログです。
http://fukushimak.iza.ne.jp/blog
核の話が一杯載っています。
その中、核の話ではないが、
「東京大学地震研究所の纐纈 一起教授に西南交通大学のシンポジウムの席で教えてもらった。、、、、、、、、
青藏高原ののっているインドプレートと、ユーラシアプレートは地殻の厚さが違うなどで、揺れの伝わり方がずいぶん違い、ユーラシアプレート側は台北でもM2・7の揺れが観測されているのに対し、青藏高原側はあまりゆれが広がらず、被害も大きくない。」
を信じていいのかな?
信じたい気もする、、、
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)