チベットNOW@ルンタ

ダラムサラ通信 by 中原一博

2008年6月8日

中で戦うチベット人の主張、方策、戦略

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e0fb3bc3.JPG先に日本の報道のことを話題にしたので、少しこちらの事情もお知らせしよう。
まず、第一のニュースソースはRFAに集まるチベット内部からの電話連絡だ。
外国経由、中国国内経由のこともある。
もちろんRFAだけに電話が入ってくる訳ではなく、政府や他のNGOにも夫々独自のルートで入ってくる。
まず委員会がそれをまとめたようなプレスリリースを出す。
TCHRDは一番慎重で複数の情報源がない場合には発表しないことが多い。
また従ってニュースも遅れがちだ。
RFAで流れる話がすべてすぐ記事になることもない。実際記事はそのほんの一部なのだ。

以下はRFAで流されたニュースでもある。
このとき彼は「キルティ僧院の身体障害者の僧侶まで逮捕された。
一人で生きられない彼の安否をみんなが案じている。本当に沢山のチベット人が逮捕され、その家族たちの心配には耐えがたいものがある。拷問を受けていないだろうか、食べるものはあるのか?どこにいるのかさえも判らないのだ」
とも言ってました。

http://www.stoptibetcrisis.net/pr070608.html

連帯委員会 2008年6月7日 リリース(Y女史訳)

カム地方ダゴ地区テホルにて平和的なデモ

信頼できる情報筋によると、6月6日の正午頃、3名の僧侶がカム地方カンゼ郡ダゴ地区で平和的なデモを行い、チベット国旗のマークが印刷された文書を配布した
3名の名前は、
ツェワン・ダクパ (22歳、ダゴ地区ジャンダ地域出身)
トゥプテン・ギャツォ (青海湖地方ユルシゥル県タオ区出身)
ジャンセム・ニマ (22歳、青海湖地方ユルシゥル県ザトゥ地区出身)
3名とも間もなく逮捕された。

平和的なデモの間、3名の僧侶は2種類の文書を配布した。
一つはチベット人に向けたアピールで、中国政府の抑圧的な政策にいかに立ち向かうべきかについて記している。
二つ目は、中国支配下のチベットにおける現在の状況に照らし合わせた、彼らの要求事項である。

最初の文書には、次のように記されている。
私達は中国政府に対していかに立ち向かうか?」
チベット仏教の基本原則を心に留めつつ、中国人とチベット人の両方にとって有
益となる方策を示している。
私達は自由のためであれ、正義や解放のためであれ、非暴力の原則を保たなけれ
ばならない。中国政府は、平和的なチベット人によるデモを、私達が石や棒、武
器を使ったことによって、テロリストの活動として宣伝しようとしている以上、
私達チベット人は、中国側の操作方針を理解しておく必要がある。したがって、
いかなり代償を払うとしても、私達は暴力に訴えてはならないし、中国側によっ
て私達が「テロリスト」という虚偽のレッテルを貼られてしまう罠におちいって
はならない

二番目の文書には、次のようなスローガンが書かれている。
私達には、政治的な自由が無い。私達は、政治的な自由を求める。
私達には、経済的な自由が無い。私達は、経済的な自由を求める。
私達には、宗教的な自由が無い。私達は、宗教的な自由を求める。
中国政府の弾圧的な支配の下で過去50有余年、
私達は計り知れない抑圧、恐怖、拷問、そして死とともに生きてきた。
私達は、解放されなければならない。
私達には、自由が無い。
私達は、自由を求める。私達は、自由を求める 

こうしたスローガンとともに、3名の僧侶は中国当局に抗議を行った。これまでに
も、カンゼ郡のいくつかの地域で同じようなスローガンが使われたりビラが配布
されたりするなど、似たようなケースが起きている。

現在も続いているチベット域内における危機的な状況に鑑み、我々は国連および
国際社会・国際機関に対して、以下の点を大至急要請する:

1. チベット域内に、独立した国際事実調査使節団を大至急派遣すること
2. 中華人民共和国政府に対して、自由な報道機関がチベット全域に無制限にアク
セスできる許可を出すよう、圧力をかけること
3. 中華人民共和国政府に、チベット全域における残虐な殺戮をやめるよう、圧力
をかけること
4. 逮捕・投獄されているすべてのチベット人を即刻釈放すること
5. 負傷したチベット人達に大至急、医療措置を施すこと
6. 人々の自由な移動を許可し、生活必需品が手に入るようにすること

チベット連帯委員会

(以上)

筆者プロフィール

中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro

1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)

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