チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2008年6月5日
チョモランマ頂上はチベット祭りの真っ最中
朝方、チョモランマの頂上でヨルダン人の登山家がチベットの国旗をはためかせたという嬉しい話をした。
ところが、何とチョモランマの頂上では彼が昇ったという5月25日以前から、この世界の頂点では圧政に苦しむチベット人を勇気付けようと多くのクライマーが、競ってチベット支持を表明する行動に出ていたのだ。
今シーズンのチョモランマは登山規制の期間が長かったので、解禁のなって一斉にスタートした登山家の数は400人とか、これにシェルパも入れると1000人ほどが一斉にまるで登山ワールドカップの様相を呈しながら頂上を目指したとか。
その中今シーズン一番乗りを果たしたグループが真っ先に<Free Tibet>Tシャツをかざして記念写真をとっている。以下の最初の写真の説明です。
http://www.mounteverest.net/news.php?id=17315
May 20, Namgyal Sherpa, with Jamie’s Project-Himalaya team, and Pemgya Sherpa, with Arun Treks summited Everest at 3:25 pm. Theirs was the first Everest summits attained this season from the south side. Mountain Madness reached Everest summit at about 6:40 a.m. Shortly after, Peak Freaks reached the top. Some of those very first summiteers showed true courage in flying pro-Tibet t-shirts on Everest summit, in spite of Chinese and Nepalese threats. Image courtesy of Dominique Gilbert
これらのニュースを知らせるMount Everest.netは「彼ら(中国)は銃を送り込み恐怖を使う。しかし共産党の独裁者たちもエベレストの上での自由な言葉を殺すことはできない」と語った。
http://www.mounteverest.net/news.php?id=17316
二枚目の写真の説明は:
フランス人のDominique GilbertだけがフリーチベットTシャツを 見せて記念写真を撮っただけでなくScott Mortensen も顔中に<Free Tibet>と書いて写真を撮った、とある。
中国は大袈裟な多人数の登山隊を送って酸素を背負いシェルパの厄介になり、やっとの思いで到達したチョモランマ頂上。
他の外国の登山家たちは単独であるいは少人数で気楽に登っているみたいですね。
頂上ではチベット支援会議も開かれたかも知れませんね。
競って隠し持ってきた宝を見せびらかしたのでしょう。
「この二週間エベレスト登山家の間にはヒロイズム、勇気、慈悲、悲劇と勝利の心が次々と示された」ともコメントに有り。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)