チベットNOW@ルンタ

ダラムサラ通信 by 中原一博

2008年6月1日

世界の独裁者トップ10発表

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1ea7a7bc.JPG緊急委員会がとこから見つけてきたのか、興味深い記事を転載していた。

2008年度最悪独裁者トップ10発表

この記事はもともとニューヨークベースのParade Magazineが2月18日に発表したもの。

そこでは世界の独裁者を最悪順に並べてある。
注目の中国のフーチンタオは第5番目とか。

トップは
1、北朝鮮のキム ジョン イル
2、スーダン大統領オマール アルバシール
3、ビルマのジュンタ軍事政権指導者タン シュー

5、中華人民共和国のフーティンタオ
6、ジンバブエの大統領?ロバート ムガベ

8、パキスタンのペルベズ ムシャラフ
全部載せてないのは残念なことです。この記事は3月以前のものですから、きっと今ならフーチンくんは少なくとも一つぐらいは番付を上げていることであろう。
それにしてもここに挙げられている国々は中国とは特に仲良しの国ばかり、偶然でしょうかね?
仲良しというよりその中のボス、パトロン的存在ですよね。
おれが(国連常任委員会に)いる限り、みんな何をやっても大丈夫任せとけ、というわけです。
例えばこの前のアムネスティーだって、中国は人権最悪国家からはずしている、というように中国は力?がある。

そしてこれらの国々の人々の生活はどんなでしょう、基本的人権は最初から無視され、<シュラップ・黙れ!>の世界です。彼らに逆らうことは時に死を意味します。拷問はこれらの国の特徴です。恐怖が統治原理です。

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朝方BBCで北朝鮮の亡命者を追った長いディープな取材が流されました。
国境の凍った河床を素足下半身裸で渡る亡命者たち。
多くの女性がたったの$300~1000で中国人の男に売られることを承知でそれでも中国側に亡命してくる者は後を絶たない。
国境警備の軍人は見逃し代$70を取る。

先に亡命し、運よく南朝鮮に行くことができ生活が安定したので、北に残っている妹を呼び寄せる手配をし、再会が叶った。
しかしその妹はほぼ完全に洗脳されており、「キム首相は神のような存在だ、キム首相のいる国にやっぱり帰る」と言い張るばかり。
姉が「あなたは洗脳されているのよ!」と何度言っても聞かずとうとうまた北に帰って行った。
お姉さんはそれを見送りながら本気で泣いてた。

中国のテレビを見てても思うのだが、人は案外簡単に洗脳されてしまうものなのだと思う。
反対意見が無い場合、世論を誘導することは簡単なのだ。

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ここで、トンバニの話を思いだす。
<トンバニ>はチベット語で日本語の<空>のこと。
<シュニヤー(サ)、空性、無自性、無実体>と同義。
「物質世界、精神世界を含めたすべての現象には実体がない」という仏教の根本哲学真理のこと。
この境界を通して現象を見るならば、すべては夢、幻、蜃気楼、木霊、、として現れる。
すべての有情の苦しみの始まりは空の真理を知らないために、盲目の人の如く現象界を間違って認識することからくる、と説く。

もちろんじゃチベット側は真理を見ているのかと問われるかも知れない。
まずは仏教では真理を二つのレベルに分ける
1、勝義諦(絶対0次元世界) 
2、世俗諦(二次元言語分節世界)
この2番目をまた二つに分ける
1、許容される世俗
2、許容されない世俗

この場合の許容とは、一般常識、論理、道徳、人の道に照らされた判断基準。
例えば同じく目の前に地震で死んだチベット人を前にして、「この者は死んでいない」と言うならば、明らかに事実に反するわけだからこの判断は<許容されない世俗>世俗においても間違った判断というが如く。
例えば法王が「独立は求めない」と言うに対し「ダライは独立を求めている」と言う如し。

もちろん我々チベット側は少なくとも法王は「幻のチベットの人々が幻の苦しみから解放されるために働いている」ことぐらい知っている。
あくまで世俗のレベルでの真実を問題にしているのだ。

それにしても中国をはじめ多くのこれらの圧政国家の下に囚われた人々は二重の偽りの世界から出ることができないでいる。

幻の世界から抜け出す術がない。
暗闇からの出口が見つからない。
誰も助けには来ない。

筆者プロフィール

中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro

1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)

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