チベットNOW@ルンタ

ダラムサラ通信 by 中原一博

2008年5月27日

続くカンゼ尼僧たちの決死の抗議

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429a844b.JPG以下26日付TCHRD発表分、(1)、(2)をY女史が翻訳して下さいました。
http://www.tchrd.org/press/2008/pr20080526.html
TCHRD 2008年5月26日リリース (1)

<中国、平和的抗議を行ったダルゲ・ハルデュ僧院の尼僧二名を逮捕、拷問

TCHRD(チベット人権民主化センター)に寄せられたチベット内の信頼できる情報
筋によると、中国治安部隊は2008年5月23日、ダルガイ・ハルデュ尼僧院の尼僧二
名をカンゼ郡役所前で平和的抗議行動を行った容疑で逮捕した。

このところ、特にカンゼ郡では様々な尼僧院からの尼僧達による平和的抗議活動が多数発生しており、同地域では尼僧の逮捕・拘束が続き、きわめて緊迫した状況となっている。

2008年5月23日には、ダルゲ・ハルデュ尼僧院の二名、
ジャンパ・ラモ尼僧 (30歳、カンゼ郡サドゥル村出身)
リンジン・ワンドン尼僧 (23歳、カンゼ郡ラリニャン村出身)

がカンゼ郡政府役所で平和的な抗議行動を行い、スローガンを叫んだ。

「ダライ・ラマ法王のチベットへの早急なご帰還を!」
「ダライ・ラマ法王にご長寿を!」
「チベットに自由を!」
「政治囚の即時釈放を!」

二人の尼僧が郡中央役所前でさらに平和的抗議を続けようとする前に、カンゼ郡
保安省の役人グループが彼女達を拘束した。
情報筋によると、二人はその場で保安省員によって激しく殴られ乱暴に扱われてから、カンゼ郡保安省拘束所へさらなる尋問のために連行されていった。
逮捕された二名の現状は不明。TCHRDは状況を見守り、この件についてさらなる情報がわかり次第、お伝えする。

以前より、カンゼ郡では、特に方々の尼僧院の尼僧達による同様な平和的抗議が多数伝えられている。
テホル・ニャゲ尼僧院、ダカル尼僧院、ガンデン・チュリン尼僧院、ゲセ尼僧院、パンリ・ナ尼僧院などである。

TCHRDは逮捕された尼僧達の今後に深い懸念を表明する。国際社会に対して中国政
府に圧力をかけ、彼女達やその他の収監・拘束されている人々が中国国内法およ
び国際人権法に基づいて即時に釈放されるよう、促すものである。
TCHRDはさらに、逮捕された尼僧達の基本的な人権を尊重するよう、中国政府に強
く要請する。尼僧達が拷問・虐待を受けることがあってはならない。囚人や拘束
者に対する拷問や虐待は、チベット域内にある国政府管理下の刑務所や拘束所に
おける特徴だからである。

(以上)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

http://www.tchrd.org/press/2008/pr20080526a.html
TCHRD 2008年5月26日リリース (2)

中国、カンゼ郡で抗議を行った尼僧4名を逮捕

TCHRD(チベット人権民主化センター)に寄せられた信頼できる情報によると、中
国当局はカンゼ郡で抗議活動を行ったチベット人尼僧4名を逮捕した。

2008年5月22日午後6時頃(北京標準時)、カンゼ郡テホルにあるニィモ・ゲセ尼僧院の4人の尼僧が、郡中央役所前で平和的抗議行動を行った。彼女達は、昨今
の平和的な抗議を行ったチベット人に対する弾圧や、チベット人が刑務所に
不法に拘束され続けていることに対して、抗議の声を上げた。

4名の尼僧達は郡中央役所に着いた後、中国当局に対してこぶしを上げて抗議した。
抗議の後まもなく、地域の保安省役人が現場に急行し、4名の尼僧を即座に逮捕した。
拘束された尼僧達はその後、中国治安警察による厳しい殴打と拷問に晒される可能性が高い。

尼僧達は郡中央役所の中や周りで、チベットの独立を求めるたくさんのパンフレ
ットを配り、スローガンを叫んだ。
「ダライ・ラマ法王のご長寿を!」
「ダライ・ラマ法王のチベットへのご帰還を!」
「チベットに独立を!」
「すべての政治囚を釈放せよ!」

拘束された尼僧達は次の4名である。
ブモ・テンガ (カンゼ郡ルナン村出身)
リンチェン・ジャマツァン (カンゼ郡ロパ地区出身)
ジャンガ・ドルマ (カンゼ郡ロパ地区出身)
ペマ (カンゼ郡ロパ地区出身)

このところ、カンゼ郡ではチベット人僧侶、尼僧、一般のチベット人達による平
和的抗議活動が多発している。
中国当局によるチベットの宗教施設に対する悪評高い弾圧、優れた宗教指導者達の拘束、「愛国教育」の実施、移動の制限等に対し抗議を行っているのだ。

逮捕された尼僧達の居所や状態について、情報は不明である。
TCHRDは、基本的人権の侵害が常態化しており、チベットの宗教施設への極度な制約が強められていることを深く憂慮する。
TCHRDは、国際社会と国連の主要機関に対し、チベットの人々の基本的な人権が守られるよう尽力を求めるものである。

筆者プロフィール

中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro

1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)

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