チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2008年5月21日
チベットに配備された核ミサイル基地
最近の日本の新聞記事にも今度の地震に関連して、成都の北北西に位置するらしい
中国の核施設の話が載っていた。
これについては
http://www.industryweb.ne.jp/indu_w/colums/n_column/back_no.htmに少し詳しく載っていた。
実はこれ10年前の情報です。
<中国内陸のサイエンスパーク その2~内陸のサイエンスパーク「科学城」>
科学城のルーツは「三線建設」と呼ばれる国防戦略にたどることができる。
三線建設は、中ソ対立にともなう国防新技術の提供を含む中ソ協定の破棄(1959年)
によりソ連との全面対決の緊張が高まったこと、トンキン湾事件(1964年)以降、
アメリカのベトナム戦争への直接介入により戦争の危機が高まったことに由来する。
予想される米ソとの戦争で沿海地域と東北が破壊されたとしても、雲南、貴州、
四川、湖北、陜西などの内陸地域に持久戦を継続できる軍事工業体系を構築する
という計画である。
近代兵器開発を担う研究開発機関や兵器工場の内陸への移転計画の中で、
原子爆弾の開発を進める「第二号核基地」が四川省(おそらく綿陽市)に
立地することとなり、その後の四川省を中心とする工業配置の立地選択の基準となっていった。
最初に綿陽市に移転してきた研究機関は、中国工程物理研究院(1964年移転立地)
である。実験用熱中性子反応炉、大出力レーザー装置などを装備し、核物理、
放射線化学、レーザー物理ほか12分野の専門研究所を配置し高級研究員は
約5,000名を数える。
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先の日曜日、人待ちしていたホテルチベットのロビーで、ふと目にしたインドの新聞<Sunday Times>紙の一面に<北京の核の標的インド>という記事を見つけた。
左上の地図は新聞に載っていたものだ。
手元にいい地図が無くて確認できないが、ゴルムトの北、チャイダム盆地の北ダーチャイダム及びノンチャン付近のことと思われる。
もちろんこのあたりに核施設があることは以前より言われていたことではあるのだが、インドはこのほどアメリカの核施設専門に調査しているNGOから衛星写真を新しく手に入れたという。
2000sqKmの敷地に58基の発射台が確認されるという。
その他付属施設も数多く確認された。
海南島では秘密の地下施設、原子力ミサイル潜水艦基地が最近発見されたこととも合わせ、中国は明らかにこれらのミサイルのターゲットをインドとしていることを警戒すべきだと、新聞は主張していた。
思うにもちろん日本も標的に入ってるであろう。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)