チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2008年5月18日
TCVの子供たちも祈ってます。
ホームの小さな食堂兼、遊び場兼、勉強部屋兼、祈祷室の中では2,30人の6~10歳と思われる小さな子供ばかりが熱心に大きな声で、<オマニベメフン!オマニベメフン!オマニベメフン!、、、>と観音菩薩のマントラを唱えている最中でした。
年少の子供たちは最近チベットから逃げてきたばかりでしょう。
隅っこに、少し年長風の二人の男の子が立っていました。14歳と13歳の兄弟。
年長の方がこのホームのゲンダ(寮長)だそうです。それでみんながちゃんとやってるかどうか見張ってる風に隅に立ってる訳でした。
「これ、毎日やってるの?」
「毎日夕方30分マニザガ(観音菩薩の真言を唱えること)はやってるよ、
でもこのところはダライラマ法王がおっしゃったことに従って、
とくにビルマや中国の地震で死んだ人たちのために祈ってるんだよ」
各ホームには一人ずつアマラと呼ばれるお母さん役の大人がいるはずですが、このときにはホームには子供しかいませんでした。
みんな手を合わせ、本気に大きな声を張り上げて唱え続けていました。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)