チベットNOW@ルンタ

ダラムサラ通信 by 中原一博

2008年5月16日

尼僧たちの勇気、中国チベット暴動プロパガンダ映画作製

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13abdf28.JPGチベット 瓦礫の下からの叫びも尽き果てるか。
BBCでもチベットの言葉をまだ聞かない。
チベットには今数万の軍隊がいるはずだ。
彼らにチベット人救助の命令が果たして出された、出されるだろうか?

写真は昨夜の地震とビルマの犠牲者を悔み、今も取り残されている人々が速やかに救助されますようにと祈る集会の後。

確かなのはアバのキルティーゴンパあたりは大丈夫とのこと、現地のキルティーゴンパがギャロンと連絡取ろうとしているがまだ連絡できないとのこと。

カムのカルゼでは地震にもめげすデモが続けられていると連絡が入っている。
ということはカルゼあたりは大丈夫だったということかもしれない?
震源地から直線で200キロほどの距離にカルゼはあるが、、、

カルゼ(カンゼ)地区には大きな僧院、尼僧院が多い。
カム抗議運動の中心地ともいえよう。

以下日本にいらっしゃるY女史に翻訳して頂きました。

チベット連帯委員会
緊急リリース 2008年5月15日

http://www.stoptibetcrisis.net/pr150508.html

確認された報告によると、昨日(2008年5月14日)の現地時刻午後5時頃、
カルゼ郡スンゴ区にあるパン・リナ・タシ・ゲペル・リン尼僧院の約60名の尼僧達が、カルゼ市庁舎の前で、厳しい警備体制が敷かれているにも関わらず、抗議集会を行った。
尼僧達はチベットに自由を!」「ダライ・ラマ法王が帰還されますように!」と叫び続けた。治安部隊が52名の尼僧を逮捕した。
尼僧達に激しい暴力が加えられたことは、その場所に残されたむごたらしい
血みどろの痕跡から明らかだ。

今回の抗議行動は、中国当局がパン・リナ・タシ・ゲペル・リン尼僧院で「愛国教育」運動を無理強いした結果である。
尼僧達はダライ・ラマ法王を非難するよう強制され、昨今のチベットにおける騒乱は法王の指示によるものであると主張する声明文に署名するよう、無理強いされていた。尼僧達がこの声明文書への署名を明らかに拒んだため、怒った当局は愛国運動をさらに強化したが、その結果が今回の尼僧達による抗議行動へとつながった。

似たような抗議行動が、同日午後4時頃、同じくカルゼ郡にあるガンデン・チュリン尼僧院の尼僧達のグループによって行われている。
1) イェシェ・チゥツォ、
2) ギャルガ・ラモ、
3) デヤン、
4) チゥツォ の四名が、治安部隊によりその場で逮捕された。

本日5月15日、カルゼ郡には大規模な機動部隊が新しく配備され、緊迫感が漂っている。
地元住民の移動は厳しく制限されている。店舗やその他の施設はすべて閉じられている。
カルゼ郡では2008年4月11-14日にかけて抗議行動が続発している
チベット連帯委員会は以前のリリースでこのことをお伝えしてきた。

もう一つの懸念すべき事態の進捗は、中国政府当局が撮影していると伝えられている
ドキュメンタリー」についてである。
その映像では、チベット人による抗議活動を鎮圧している中国治安部隊に対して、チベットの僧侶や尼僧達があたかも暴力的な手段で抵抗しているかのように映し出されている
その映像の撮影は、カルゼ寺院付近の古い飛行場で数日前から行われており、主に治安隊員や軍人のみによって演じられている。
中国政府はこの「やらせのドキュメンタリー」によって、当局や治安部隊はチベット側の暴力的な攻撃に対抗するためやむなく武力を使っているかのごとく、国際社会に訴えようとしていることが疑われている。

現在も続いているチベット域内における危機的な状況を鑑み、私達は国連および
国際社会・国際機関に対して、次の点を大至急要請する。

1. チベット域内に、独立した国際事実調査使節団を大至急派遣すること
2. 中華人民共和国政府に対して、自由な報道機関がチベット全域に無制限にアクセス  できる許可を出すよう、圧力をかけること
3. 中華人民共和国政府に、チベット全域における残虐な殺戮をやめるよう、圧力をか  けること
4. 逮捕・投獄されているすべてのチベット人を即刻釈放すること
5. 怪我をしたチベット人達に大至急、医療を施すこと
6. 人々に自由な移動を許可し、日常必需品が手に入るようにすること

以上チベット連帯委員会

筆者プロフィール

中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro

1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)

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