チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2008年5月10日
ダライラマ法王による秘密集会タントラ潅頂終わる。
引き続き法王の長寿を祈願するプジャがあり、最後に多量のお菓子やらマンゴーが飛び交いました。
20人ほどいた日本人も今回は相当量のお菓子を手に入れました。
日本人がインドの駄菓子を貰って喜ぶのも不思議?
ですがこれらのお菓子は法王の加持力が籠った特別の食べ物であって、どんな人でもそれを一たび口にすれば、すべての心と身体の病は一瞬にして消え去るという代物なのです。信じる人に取ってはですが。
密教に関心のお有りの方のために少しだけ、解説?を、
今回の潅頂は数種類ある秘密集会(グヒヤサマージャ(サ)サンワドゥパ(チ))の中でも代表的な<秘密集会、聖者流32尊曼荼羅>の潅頂でした。
マンダラの中に仏尊が32体いらっしゃる訳です。
潅頂自体はツォンカパ尊者の式次第に則って行われました。
無上ヨーガタントラのテーマはクリヤーライト(光明)と比喩的に呼ばれる心のもっとも微細な状態(二元分別心の消え去った状態)を各種ヨーガ(ツァルンティグレのコントロール)により生起した幻身のうちに見て、この環境である幻身=曼荼羅と光明の心は空性の内に双入一味と体験する。空楽無二の境地。
菩提心と空。方便と般若を同時に行ずることのできる道。
死と法身を同一視することで、死に近付く(心が微細になる)につれ、空、尋空、大空、一切空が体験され、同時に大楽の方も増大する、、、
何だかよくわかんない怪しい雰囲気になりそうなので、もうやめます。
要するに自己催眠療法の一種!?との見方もできます。
無上ヨガは本来秘密のものですから、興味がおありの方は実際に法王から潅頂をお受けください。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)