チベットNOW@ルンタ

ダラムサラ通信 by 中原一博

2008年5月10日

アムド、ラプラン僧院再び緊張

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9日付でTCHRDが伝えるところによれば、
http://www.tchrd.org/press/2008/pr20080509b.html

サンチュ(夏河)のラプラン僧院の状況が再び緊迫してきている
5月7日には人民武装警察、公安合わせて約5000人が僧院を囲みこみ、
突然僧院に押し入り、強制捜査が始まった。その日140人の僧侶が逮捕された

翌日多数の僧侶たちが前日逮捕された仲間の僧侶の解放を要求するデモを行った。
これに対し当局は騒ぎの拡大を恐れて18人を除き他の僧侶を解放した。
しかし僧侶たちはあくまで全員を解放する事を要求するデモを行った。
そこで当局はさらに18人のうちの11人を解放した。

僧侶たちは残りの7人の解放を要求してデモを続けているが、当局は更に武装勢力を増強し、この要求を断固拒否した上に、武力弾圧を仄めかしているという。

TCHRDは更なるデモの拡大とそれに対する中国側の発砲等を恐れる。
僧侶側は命を掛けても逮捕されている残りの僧侶を救うと言っており、中国側も強硬姿勢を強めているからだ。

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ラプラン僧院には2000人近い僧侶がいたはずだ。
ラプランは名刹であり、学問寺としても名高いゲールック派の一大僧院だ。
市民の支持も高い。ここで中国側が強硬姿勢で向かうとほんとに危険なことになると思われる。

メディアの前で訴えた僧侶二人行方不明のまま

先の4月7日に同じくサンチュに国外メディアが招待されたとき、突然メディアグループの前に現れ、隠されたチベットの現状を訴えた僧侶たちがいた。

この映像はBBC等を通じて世界に流された。
私もその時の映像を見た、10数人の僧侶たちが一様に切羽詰まった、極度に緊張した顔をしてカメラの前に走り来たって「チベットに自由はない!全部やらせの嘘だ!ダライラマ法王に長寿を!」と叫ぶのを聞いた。

その内タップケとツンドゥという二人の僧侶はその後まったく消息がつかめないままだ。家族や周りのチベット人たちは彼らは中国に相当の打撃を与えたわけだし、すでに超法規的やり方で射殺されてしまったのではないかと心配しているという。
家族が当局に問い合わせたが、「知らない}と言われただけという。

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その他
http://www.tchrd.org/press/2008/pr20080509a.html

ラサ近郊チュシュルのラトゥー僧院の僧侶50人が4月16日逮捕された。
その後うち18人は解放され、現在32人逮捕されたままだという。
詳しくは英語版へ

筆者プロフィール

中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro

1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)

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