チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2008年5月9日
ダライラマ法王、今回の中国との対話に対する反応
本日9日も法王による秘密集会タントラの潅頂が午後1時より4時半までありました。
この潅頂に付いては明日まとめて報告します。
そうそう遅くなりましたが、早稲田が頑張ったようですね!
私の恥もこれでかなり軽減された心地です。
これからも早稲田の学生は早稲田らしく益々チベットのために声を大に叫び続けてほしい。
ところで法王はこれまでのところ一度も今回の中国との話し合い?についてのコメントをさりげなく漏らされることもない!?。
しかし私が知る限り、ただ二言だけそれに関連しそうな言葉を耳に挟んだ。
一つは昨日法王がツクラカンに潅頂を授けられるために向かわれる途中、某テレビ局が強引にかぶり付き「今回の会談についてのコメントを!」
法王「ううん、、まだコメントするには早すぎるだろう」
これだけでした。
この言葉をどう解釈すべきか?
え、解釈ってなに、言葉どうりだろうって?
これは「話ともいえないだろう。思った通り何も内容は無かった。ま、本番の第7回会談が始まってからコメントしたいものだ」
と私には聞こえました。
もう一つは、
昨日の潅頂の前の一般仏教概論中歴史の話をされている時、「中国にインドから仏教が伝わった時期はチベットに伝わった時期より速い。故に私は常に中国は仏教の教えの仲間のうちでも長兄にあたるとの思いを抱き、尊敬を示してきた」
と話された。
これも普段なら文字通りに受け取ったかも知れないのですが、昨日は特使が帰還報告をしたばかりの日、みんなが法王の反応を見守っていましたから、
ここも、私は法王のちょっとした今の共産党中国に対する当てつけ?嫌み?ジョーク?と取れなくもない、と考えたのでした。
以上私の勝手な妄想です。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)