チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2008年5月7日
また一人チベット人が射殺された。
5月6日付委員会発表資料より。
http://www.stoptibetcrisis.net/pr060508.html
<家畜の如く殺されるチベット人達>
3月14日後のチベット人に対する不当で過酷な弾圧に抵抗したが故に殺された男がいる。
チャムド、ラトック ユチュ出身のアカル タシ氏は5月4日ラサの自宅で中国武装警官によって射殺された。
5月4日午後9時頃中国武装警官隊7人がアカル タシ氏を逮捕すべく、彼の自宅に突然押し入った。
彼は「何を理由に私を逮捕しようというのか!?」と答え、逮捕されることを拒んだ。
果ては格闘となった。武装警官はすぐに彼に発砲し、彼はその場で死亡したという。
38,9歳のタシはラサのデモに参加したのではないかと以前から疑いをかけら
れていたという。
5月
2日にはダゴの中学生4人が独立と法王のチベット帰還を訴えデモを行ったという。
4,5日前にカルゼのダゴにあるシップモ尼僧院付近で当局がチベット独立とチベット語と中国語で書かれたタルチョ(チベットの祈願旗)を発見した。
当局はすぐに尼僧院に<愛国再教育>チームを送ったが、普段は300人ほども尼僧がいる僧院は空っぽで、ただ<誰一人再教育などされない!>とのメッセージが残されていたという。
ラサをはじめチベット全土の学校の生徒たちは全員<ダライラマ法王を非難する文章>の提出を強制されているという。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)