チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2008年3月12日
アプライジング・デーinダラムサラ
ダラムサラの知人から、3月10日の現地の様子の写真をいただいたのでご紹介。
あ、熱いー……。
左の画像はたぶん、ダウン・ダラムサラに向かってジョギバラよりさらに坂を下ったあたりでしょうか(コルラ道にしては道幅が広いし)。巨大なチベット国旗のほかに「チベタン・オリンピック」の大プラカードも見えます。あれ、白いドレスシャツに長髪をポニーテールにしている兄さんはチベ五輪プロデューサーのロプサン・ワンギャル本人だったりして? ははは。
右の画像はそのアップ。「チベタン・オリンピック」目立つなあ。そういえば、ダラムサラの3・10マーチは、チベタン・オリンピックのトーチリレーも兼ねていたのでした。どっかにトーチ持ったランナーもいるのではないかと思いますが、この熱気で埋もれているのでしょうか……。
メールによると、
昨日の夜も今日の朝もデモしていました。
とのこと。在住10年以上の知人が「これまでになく大きな規模のデモでした」と言うのですから、相当に大勢の人が集まったのだろうなあと思います。
右の画像は、よく分からないけど、すっかりダウン・ダラムサラに下りて、乗り合いバスが止まっていたりするあたり……でしょうか。普段はチベット人の姿の目立たない、インド人の街がこんな風になるとは……。
右の写真、印象的なのは、全身にペイントして雄叫びを上げる若いチベタンももちろんですが、その横で、やや暑そうにチベット国旗を日よけがわりにしてたり、男性の後ろで、ほんとに普通の普段着姿で歩きながら声を上げているふつーのおばさん・おねぇちゃんの姿です。
難民の町は、およそ“政治活動”なんてものとは縁のなさそうな、できるならそんなことには関わりたくないよ、という市井の人たちが行進に加わらざるをえないほどの閉塞感に覆われているんだ、と思ったりするのです。
……そして、たぶん、それは本土も同じ状況なのかもしれない、と思ったりもするのでした。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)