チベットNOW＠ルンタ

2008年5月4日

直接目撃証言者第一ソナム氏にインタビュー

先ほど、４日午後６時ごろ、先に朝日の報道でお知らせしたラサ動乱の、参加者、目撃者である、ケルサン　ソナム氏にネルレンカン（ダラムサラ難民一時収容所）にさっそく会って来ました。

朝日には載ってない、まだまだある沢山の証言を聞いてきました。

彼の故郷はカム、家族が田舎に残っているが、、、
「田舎だし遊牧民だし、食べていくことはできるだろう、心配ではあるが今は自分が生き延びてチベットのために働くことの方が大事だ。心配なのは同じくデモをした友達たちのことだ、きっと今頃は捕まって、大変な目に合っていることだろう、そのことが気になる」と話す。

彼は半年ほど前に国からラサに一人出稼ぎに来ていた。パルコルでチベット小物の露天商をしていた。

３月１４日のことを聞く。
朝８時ごろまずラモチェ寺院の僧侶たちが寺院前からデモを始めた、最初は４０～５０人の僧侶だけだった。それを見た周りのチベット人がそのデモに続々参加し始めた。どんどんその数が増し１０００人ほどにも膨らんだ。彼も「これは一大事。ここで声を上げないと。頑張るぞ」との思いで胸が一杯になり、いっしょに叫び始めた。「ダライラマに長寿を！チベット独立！中国人はチベットから出ていけ！」と叫んだという。

デモが始まって３０分ほどして軍隊が来た向かって来て、すぐそばで二人、僧侶と６０～７０代の老婆が長い軍刀で刺されるのを見た。それからはチベット人たちも軍隊に向かって石を投げ始めた。チベット人たちもばらばらになったがグループごとになって逃げながらもデモを続けた。そのころにはラサのチベット人街の至る所でデモや衝突が起こっていた。
１０時半頃今度は拳銃を持った武装警官が来て青年２人と尼僧２人が撃たれて倒れるのを見た。
午後４時ごろには軍隊の装甲車が沢山現れた。もう石を投げてもどうしようもない。
中から機関銃でバババババと撃ってきた。
少なくとも６人は撃たれて倒れるのを見た。
このときいっしょに声を上げていた友人の一人がすぐそばで胸を撃たれて倒れた。
そして間もなくその場で死んだ。簡単に布切れを巻き供養とし、その場を離れた。
倒れた者たちはすぐに兵隊が拾って持ち去って行った。
みんな消えたままだ。

夜の９時ごろ疲れてセラの近くの仮屋に帰ったという。

次の日から毎日夜中の１時２時に兵隊が家々を一軒一軒回る。１４日にどこに居た、何をしてたと聞く。１８日までは全く家から外に出ることを禁止されていた。
食糧も買えなかった。
このままここに居ては捕まるであろう。捕まれば刑期２０年だろう。食い物も、水も与えられず、寝ることさえ許されない。もうインドに逃げるしかないと決心したという。

彼は実は１９８８年１８歳の時にもラサでデモに参加したという。その時は６か月投獄された。その後もカムでデモに参加し逮捕されたこともあったという。それで監獄の酷さは身にしみて知っていたのだ。

運良く彼は３月９日にネパールビザを取得していたのだ。初めてだがネパールから品物を仕入れようと考えていたからだ。
それを使って７，８回の検問を抜け国境での２時間以上の尋問の末、遂に国境を越えてネパール側に出た。
その時の解放感は忘れがたいという。

３月２６日い国境を越えネパールのネルレンカンに一か月ほどいて７日前にダラムサラに到着した。
まだ法王にはお会いしてないとのことでした。

写真と実名を載せますが、本人了解の上です。

一枚目はがらんとしたネルレンカンの中で話すソナム。

二枚目は自由の国の空気を満喫するかのようにダラムサラの町を行くソナム。

三枚目はあこがれのダライラマ法王の写真を露天で嬉しそうな顔して買おうとするソナム。

なかなかチベット人らしいいい男でした。また何度か会いに行くことでしょう。

この日だけでもラサで７０～８０人のチベット人が殺された。
このことを中国は全く認めようとしない。
この状態で何を話し合うというのか？
何人か解放してやってもよかろう、、とでもいうつもりか？
「恥」って漢字は確か中国から来たんだよね？。

中国に行った二人の消息は全く今のところ不明とか？
薬飲まされてサインさせられないように気を付けてるよね、、、