チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2008年5月3日
本日ダライラマ特使中国に到着
5月2日付
法王庁プレスリリース
http://www.dalailama.com/news.246.htm
5月3日、ダライラマ法王特使ロディ ギャルツェン ギャリ氏及びケルサン ギャルツェン氏が中国首脳部代表との非公式会談に臨むために中国に到着する。
短期間の訪問ではあるが、特使はチベット地域での現在の危機についてを緊急議題とする。
特使はダライラマ法王が中国政府の状況への対応に深い関心を持ち続けていることを伝えると同時に、地域に平安をもたらす提案を示すことであろう。
中国政府は先にダライラマ法王との対話を続ける意思があると諸外国政府に対し公表した。
特使はチベット問題が相互に満足のおける解決に向けて前進することを目指す。
Chhime R. Chhoekyapa
Secretary to
His Holiness the Dalai Lama
Dated: May 2, 2008
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もう今頃は中国のどこかに到着しているはずの特使二人ではありますが、RFAの伝えるところでは、今現在どこに二人がいるのかが不明なのだそうです。
写真左手が特使ロディ ギャルツェン ギャリ氏(通称ギャリ リンポチェ)現アメリカ特使。右手がケルサン ギャルツェン氏現ヨーロッパ法王事務所代表。
ギャリ リンポチェについては、私には沢山の思い出もあります。
彼が私をこのダラムサラに呼んだ張本人でもありました。
1984年に私は彼が大臣をしていた情報省に呼ばれて、それまでのぼろビルの一角の村役場の一室のようなところを脱出して、ちゃんとした印刷所付きの亡命政府情報省を作る設計計画を任されたのでした。
何度か敷地が変わり数年かかりましたが、今はもう古びた建物になって亡命政庁地区の入口あたりに立っています。
そんなことはどうでもいいのですが、
彼は私がこれまでにあったチベット人政治家のなかでも間違いなく一番のキレ者の一人です。もう長老の域ですが、この前のBBCでアナウンサーの制止にも関わらず熱くチベットの惨状について訴え続けていました。
生まれつきの外交官と言ったところです。アメリカ議会のロビーイストとしてもいつも裏で活躍しておられます。
政敵もいなくもないですが、、、は要らぬことでした。
もう一人のケルサンは中堅のこれもキレ者です。
役者はいいのですが、さてたぬき中国キツネ中国相手にどこまで通じるのか不明です。
お二人の奮闘を応援したいと思います。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)