チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2008年4月29日
4月25日までの犠牲者数、負傷者数、逮捕者数について
本日、ダラムサラのDIIR(Department of Information and International Relations 情報国際関係省)において、先ほど午前11時から記者会見が開かれました。
発表したのは情報局スポークスマンのツプテン サンペル氏。
これまでの犠牲者数等についての説明と新しく情報省としての数字が示されました。
以下ステートメントの翻訳:
DIIR(Department of Information and International Relations 情報国際関係省)
2008年4月29日
連絡官
Thubten Samphel
Sonam N Dagpo
Ph:01892-222510,224957,224662
Press Statement
CTA(The Central Tibetan Adoministration所謂亡命チベット政府)は先の2008年3月10日より同4月25日まで、歴史的本来のチベット3地域(ウツァン、カム、アムド)内で起こった平和的抵抗による犠牲者数、負傷者数、逮捕者数を発表する。
以下にまず6種の情報源の数字を列挙する
情報源 死亡者数 負傷者数 逮捕者数
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1.Chinadegitaltimes.net61 59 4051
2.TCHRD 114 227 2476
3.中国国営放送 23 917 2226
4.ラサ放送局 19 405 1397
5.RFA(ラジオ自由アジア) 237 126 23957
6.CTA(防衛省) 162 42 2946
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これらすべての情報源を比較検討し、これらの数字の根拠、細かい情報を分析総合した。
その結果我々は死亡者数203名、
負傷者数約1000人、
現在も監獄に囚われている者5715人とする。
これらがチベット全土でこれまでにチベット人が被った人的被害の数字である。
以上。
もちろん、これについては発表の後すぐに多くの質問が出た。
まとめて
注として:
*ラサ放送局の数字はチベット自治区のみの数字。
*防衛省の負傷者数が異常に少ないのは(中国発表に比べ)明らかに判明している者の数しか入れてないから。
*中国側(1.3.4)の数字には中国人が含まれるが、チベット側(2.5.6)の数字には中国人は含まれていない。
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筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)