チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2008年4月26日
続ゴロの武器チャクド
24日に<500人のゴロの人達が山に籠って中国と闘う覚悟でいる>という話の余談で<ゴロ独特の武器チャクド(鉄石)>の話をした。
そのことで訂正がある。
この武器?はゴロ独特のものではなく、アムド全土でその毛のある男たちの使用するものであると解った。
チベット国旗を血で描いたと語った、レストランのトプチュが正しいと思われる絵を書いてくれた。
その絵によると先の鉄の部分は15センチぐらいで密教法具のプルブ(鋭い三角錐形。ブルブも基はインドの武器)に似ているらしい。
その後ろに3メートルあまりの革性の紐が付いていてこの一方を手首に結び付けておいて、投げては引き戻し、また投げつけ、引き戻す。
この技の取得には相当の訓練がいるという。
この革にはラゲ(ジャコウジカ)の革が一番いいという、ラゲが手に入らない場合は
ナヤ(ナワ)(チベッタンブルーシープ)の革がいいという。
ヤーの革は厚くて硬過ぎるとか。
ウツァンはウツァンのカムはカムの男たち独特の戦い?喧嘩?の武器?があるという。
特に中国人と喧嘩になると出てくるそうだ。
武器はこんなだが命知らずの勇気だけはあると認めよう。
彼らは追い詰められたにちがいない、、、、、
タウの農民たちのゼネストも依然続いているという。
今日も内地からのニュースは次々入っている。
http://www.stoptibetcrisis.net/pr240408.html
http://www.stoptibetcrisis.net/pr250408.html
家は昨日の昼からずっと停電(ちなみに水ももう一か月は来てない。)
せっかく長野の様子をBBCで見ようと思ってたのに見れず残念でした。
みんな雨の中チベットのために本当にごくろうさまでした。
温泉にでも入って冷えた体を温め、お帰りください。
チベットの春はまだまだ遠い、山とか洞窟とかレンガ工場とか刑務所とかは冷えることだろう。
餓死するものもすでにいよう。
このままでは多くのチベット人がこれからも死んでいく。
対話、対話と喜ぶ気には少しもなれない
私は昔から対話無意味派なのだ。
会えたとしても独立を永遠にできなくなるような取り決めを結ばされてしまう可能性が高いし、
中国がこの状況で何か譲歩するとは考えられない。
このところ一党独裁も実は危なかったところを首尾よく愛国運動の盛り上がりを誘導することで乗り越えようとしてる今。
少しでもまともな話し合いをすれば石が飛んでくるから。
第一
法王「私はチベットの独立を求めたことは一度もない」
胡錦とう「いやお前は独立を求めている」
人を信じる歴史がない国の人(言いすぎ)に人を信じることを教えることは難しい。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)