チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2008年4月24日
ゴロの反乱
昨日、<ゴロ チディル ゾンで500人のチベット人が山の頂上付近に立てこもっている>と言うニュースをお伝えした。
今ルンタレストランにいるが、ここの料理人のツェリン テンパとこのゴロの話になった。
私「ゴロ人(もちろんチベット人ではあるがその中でもちょっと一味違う?人たちなので)が中国と闘うとか言ってるけど、どうやって<戦う>つもりかな?」
彼「大丈夫だ!彼らは普通じゃない。武器だっていろいろ持ってる
まずブンダ(メンダの訛)という狩猟用の銃がある。
中国みたいに連射はできないがね。
ナイフや刀の類もいろいろある。
遊牧民だからグルドォ(投石用の紐)はあるし、
彼らだけが持ってるチャクドという鉄製の鋭利なナイフのようなものが先についている縄(相手に投げつけては引いて受け止める)もある」
このチャクド(鉄石)を実際見たことのない私がどんなものかと聞いてると他のチベット人も集まってきてこんなだ、あんなだと議論が始まった。使い方はこうだ、ゴロと喧嘩になったときは気をつけないと大変なけがをすることがある、とか。でもみんなちゃんとした絵が描けない。結局形態は良く判らなかった」
確かに私もチベットでゴロの人達を見るたびにその日焼けした顔、その目の鋭さ、野性味に独特のクオリアを感じたものだったが、
それにしても石器時代の戦いじゃあるまいし、、、、取りあえずその勇気を讃えたい。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)