チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2008年4月6日
法王のメッセージ
先ほど(4月6日10時半)法王はツクラカンで祈祷会の後、<チベット人に向けてのメッセージ>を読み上げられましたhttp://www.dalailama.com/news.htm“>。http://www.dalailama.com/news.htmに全文掲載されています。とりあえず。
今日は亡命チベット人はこぞって一日中念誦、祈願する日と決められていました。
朝9時、法王はツクラカンにお出でになり、そのまままずターラ菩薩二十一尊の真言を唱えられ始めました。中に千手観音菩薩への祈願文を挟んで、再びターラ菩薩の真言、そしてオマニペメフーンを一時(この時、法王の手元、数珠が繰られるところがモニター画面に大きく映りだされていました)仏賛、普賢行願讃、締めくくりにツェメーユンテンでした。
法王は終始顔を少ししかめていらっしゃるような、きびしい表情に見うけられました。いつものように仏を脊に人々に向かうのではなく、本尊のお釈迦様に向かって座られ、一心に祈られておりました。
このあと、法王は一旦席を外され、しばらくして「チベット人へのメッセージ」を読み上げられました。「これは外人には秘密なんだけどね……ははは!」と最初にユーモアをおっしゃったりされました。
法王が去られた後も午後4時まで他の約3000人程は念誦会を続けるのです。
本土のチベット人にも今日の一斉祈祷会のことは伝わっているかもしれません。中国はまた、静かな祈りに対し銃弾で答えるかもしれません。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)