チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2008年4月12日
治療を求める日
今日は動乱の負傷者が、速やかに適切な治療を受けられることを求める行進の日でした。
銃弾で負傷しながらも手当を受けられず死んでしまうということが実際今チベットで起きているのです。 このことは先日も電話の話として伝えましたが、他にも同様な報告が多くあります。
平和的行進が機関銃で蹴散らされ、人々は山や森に逃げ惑い、捕まったものはひどい拷問に会い、負傷者は手当も受けられず死んで行く。これはまさに地獄です。
何故に日本のメディアはオリンピックトーチの話とともにこの現状を伝えないのか?
日経の次の記事など読むと何だかな?と思う。
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/
20080412AT2M1101N11042008.html
中国側の発表を鵜呑みにした風の表現、中国語の表記だらけ。
チベット側発表の情報はなぜ載せないのか? アムドまで出かけて行って、中国側の情報だけ流すとはアホだね。 彼ら中国駐在の記者たちはチベット語放送を聞いてないのだろうか? 少なくとも亡命政府の発表する最新情報を知らないわけはない。私は聞いている、知っていると思う。ただ知っていて取り上げないだけなのだと思う。
ちなみに、日経のこの記事は以下の如し。
チベット騒乱1カ月・中国当局、再発阻止へ「アメとムチ」
【同仁(中国青海省東部)=尾崎実】中国チベット自治区ラサで起きた大規模騒乱から14日で1カ月を迎える。中国当局は被害を受けたラサの住民を対象に、生活補助の支給や医療費の免除を実施する一方、チベット仏教僧への愛国主義教育も徹底。騒乱が波及した周辺のチベット族自治州では武装警察の警戒が続く。「アメとムチ」の懐柔策でデモ封じ込めを図り、混乱の再発を何としても避けたい考えだ。
3月中旬以降、僧侶らによる数百人規模のデモが2度発生した青海省黄南チベット族自治州。中心部の同仁県にあるチベット仏教寺院「隆務寺」に8日午後、製めん用の小麦を大量に積んだ5トントラックが到着した。先導したのは同省公安庁の車両。付近住民は「当局の食料援助が最近始まった」と説明する。(07:02)
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)