チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2008年4月14日
ブログを始めるにあたり
従来より私はダラムサラの元政治囚のグループを援助する活動を続けてきました。
そのほぼ全員が拷問を受けている。このグループのメンバーのほとんどは87,88年にラサでデモを先導した僧侶たちです。
同じようなことが再び、今回はチベット全土で前回を遙かに上回る規模で起こっている。そして同様にチベットの至る場所の拘置所、監獄で日夜拷問が繰り返されている。
私は今回の騒乱が起こった3月10日以降、主に<うらルンタ>の
http://lung-ta.cocolog-nifty.com/lungta/と
http://tibetannow.exblog.jp/
に<ダラムサラから>としてレポートを掲載してきました。
情報源はここチベット亡命政府のあるダラムサラに集められすでに発表された英文の記事、町の壁新聞、インタビューなどです。特にRadio Free Asiaのチベット語放送は今チベットの外と中を繋ぐほとんど唯一の大事なパイプです。ここには現地からの生の声で情報が伝えられてきます。法王のメッセージなどもこの放送で伝えられます。
もちろん中国の妨害電波に阻まれほとんど聞けない状態だという。それでも局の人は必ず誰かが聞いて伝えている、と話す。この放送を聞くことだけで大変な処罰の対象となる。みんな隠れて聞いているのだ。また中国政府は外部に情報を漏らした者は極刑に処すると公言している。それでも放送局に電話が直接掛かってくる。でも現地との交信は日増しに困難となってきているとも話していた。
日本の報道メディアは漢字に強いせいばかりではないと思われるが、北京政府の発表する情報ばかり流す癖があるようだ。もっとも本気で内容を信じて流しているとは思わないが、、、それにしてもなぜ亡命政府側の得た情報も流さないのだろうか?
知らない訳ではないと思う。
ダラムサラからの情報を少しでも増やしたい、知ってもらいたいと思い始めるのです。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)