チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2015年5月27日
<速報>アムド、ツォネで2児の母親が焼身、死亡
チベットタイムズによれば、今日5月27日、現地時間早朝4時頃、甘粛省甘南チベット族自治州ツォネ(ཀན་སུའུ་ཞིང་ཆེན་ཀན་ལྷོ་ཁུལ་ཅོ་ནེ་རྫོང་། 卓尼)県にあるチャプッシ僧院近くにある中国の武装警官・軍隊合同駐屯地前で、36歳、2児の母親サンゲ・ツォ(སངས་རྒྱས་མཚོ།)が抗議の焼身を行い、その場で死亡した。
遺体は部隊によりツー市に運び去られたと伝えられる。彼女が焼身した後、彼女の里には大勢の警官が現れ、村を封鎖し、家族や付近の住民を尋問しているという。
焼身したサンゲ・ツォは、焼身する前日に、中国のソーシャルサイトであるWechat(微博)上に焼身をほのめかすような書き込みをしていたという。これに気付いた家族はすぐに彼女の行方を探したが、朝になり彼女が焼身し遺体は当局に奪われたことを知ったという。
彼女の焼身が早朝4時頃であったこともあり、目撃情報はまだ入っていない。焼身の目的に付いても、はっきりしないが、現地のある人は「部隊駐屯地の前で焼身したことが彼女の目的を語っている」と話たという。
サンゲ・ツェはツェネ県チャップシ郷メル・シッパ村の出身。8,9年前にメル・ニンバ村のタムディン・ワンギェルの下に嫁に行き、2人の子供を育てていたという。
内地焼身141人目。内外地合わせ146人目。内、死亡確認121人目。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)