チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2014年12月16日
<速報>アムチョクで新たな焼身
今日(12月16日)現地時間午前9時頃、アムド、ラプラン・アムチョク(བླ་བྲང་ཨ་མཆོག་ཞིང། 甘粛省甘南チベット族自治州夏河県阿木去乎鎮)の警察署前でサンゲ・カル(སངས་རྒྱས་མཁར།)が、明らかに中国政府のチベット人弾圧に抗議するため焼身、その場で死亡した。遺体は駆けつけた警官隊により持ち去られたという。
サンゲ・カルはアムチョク鎮ルタン郷の出身。父ワンロ、母ユドンの息子。34歳。2人の幼い娘がいるという。
その他の詳細は未だ不明。
チベット人の焼身抗議は、9月21日、ツー(合作)で22歳の学生ラモ・タシが行って以来ほぼ3ヶ月ぶりである。中国政府によるチベット人弾圧は終わるどころか激しくなっており、焼身抗議も終わっていないのだ。
内地焼身者134人目、内外合わせたチベット人焼身者の数はこれで139人となった。
今日はゲルク派の祖師ジェ・ツォンカパの命日、ガンデン・ンガムチュ(灯明祭)である。サンゲ・カルがこの日を選んで焼身したとすれば、チベットのため、まさに自らを灯明として捧げたと言えよう。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)