チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2014年7月19日
寒村から突然僧尼の兄弟等連行
7月9日早朝、カム、ソク・ゾン(チベット自治区ナクチュ地区ソク県)の村に大勢の警官が押し掛けチベット人3人を連行した。その後の消息は知れず、食料や衣服を届けようとした兄弟もソクに向かった後失踪した。
連行されたのは、ソク県ロンウォ郷第13村(སོག་རྫོང་རོང་པོ་ཡུལ་ཚོའི་གྲོང་ཚོ་༡༣།)カルツァ家の兄弟である僧ギェルテン・ペルギェ(རྒྱལ་བསྟན་འཕེལ་རྒྱས།29)と尼ゲディ(དགེ་སྡིས།52)、及びアムツォ家のチュダッ(ཆོས་གྲགས།59)と伝えられる。
彼らが拘束された理由を当局は明かさず、地元のチベット人たちも、推測することができないという。
彼らの兄弟の1人が、食料や衣服を届けるためにソクの街に向かったが、その後、彼の消息も途絶えたままだ。
事件の後、村と特にカルツァ家の回りは大勢の警官により囲まれ、彼らは行き交うチベット人たちを検査し、厳しく尋問しているという。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)