チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2014年3月31日
<続報>29日焼身の尼僧の名はドルマ 31歳
29日にカム、バタン(ཁམས་འབའ་ཐང་། 四川省カンゼチベット族自治州巴塘)で焼身した尼僧の名前、年齢、出身地が判明し、写真が伝わった。
31日付けTibet Expressによれば、彼女の名前はドルマ(སྒྲོལ་མ།)、年齢31歳前後。出身はかつてバタン県内、現在自治区マルカム県内にあるチスン・ガンショク村とされる。父の名はニマ、1年前に死亡したという母の名はワンモ。
昔から彼女の家は地区でもっとも豊かで大きかったという。兄弟姉妹の内、男性3人はトゥルク(転生ラマ)、彼女を含め女性2人は尼僧という。かつて家族の何人かが長期刑を受けたり刑務所内で死亡しているという。
彼女はこの数ヶ月バタン県のリトゥ僧院で五体投地を繰り返していたという。
ドルマは29日午後3時頃バタンの街中にあるバ・チュデ僧院(康寧寺)の右繞道で中国のチベット弾圧を糾弾するため焼身した。右繞していたチベット人たちが火を消し、病院に運び込んだ。現在、病院は部隊に包囲され、情報網が遮断され、交通規制も行われているということで、これ以上の情報は今のところ伝わっていない。尼僧ドルマの生死も確認されていない。
追記:尼僧ドルマと一緒にリトゥ僧院で修行していた尼僧の内、3人が拘束されたという。
追記2:ドルマは命は取り留めそうだとの情報が入る。
井早智代さんが尼僧ドルマに捧げられた絵。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)